重度訪問介護で24時間常時2人体制(1488h)事例増える

 

全国各地で24時間常時2人体制の1488時間の重度訪問介護が支給決定される例が増えてきています。

今年2月の記事 全国の過疎地の24時間重度訪問介護利用の一例 (kaigoseido.net) でも少し紹介しましたが、現在、全国広域協会の関わりのある事例のみでも、北海道・茨城・埼玉・富山・長野・京都・兵庫・広島・鹿児島で1488時間またはそれに近い支給例があります。ALS以外にも、筋ジス・SMA・頚椎損傷などの障害の例があり、人工呼吸器利用者中心ですが、呼吸器を使っていない障害者もいます。鹿児島では、離島の町での複数の例もあります。

 

過疎地の事例紹介

北関東の、市域のほとんどを山間地が占める過疎地のK市で、ALS患者に24時間常時2人体制の1488時間の重度訪問介護が支給決定されました。支援をした福島県の長谷川ともみさんに、経過を書いていただきました。

 

 

K市 Tさんの交渉経過】

全国広域協会 福島ALS支援スタッフ 長谷川ともみ

 

Tさんとの最初の出会いは、20196月に開催した、日本ALS協会福島県支部の講演会でした。そのときにTさんと奥様が参加されて、初めてお会いしました。

その後、202010月にTさんが気管切開、人工呼吸器を装着。そのときに奥様から、

ヘルパーが足りない、K市には対応できる事業所がないとの相談を受け、隣接市の事業所を紹介。同時に、「自薦ヘルパー」という方法もあることをお伝えしました。

 202011月にTさんが退院、人工呼吸器や胃ろうなどの医療的ケアが必要な状態での

奥様との2人暮らしでの在宅生活をスタートされました。しかし、なかなかヘルパーが見つからず、リウマチの持病のある奥様が昼夜問わず介護をされている状態が続きました。

その疲労もあったのか、奥様は20212月には間質性肺炎を起こし、その治療のためリウマチの薬を休まざるを得ず、リウマチの痛みもひどくなっていました。

 20214月、Tさんご夫妻からの依頼でご自宅を訪問し、Tさん、奥様、ケアマネさんに自薦ヘルパーのことを説明。その後、紹介した隣接市の事業所がヘルパー不足で撤退することになり、Tさんと奥様から自薦ヘルパーの利用について正式にお申し出があり、5月から自薦ヘルパーの求人を開始。この時点では重度訪問介護372時間/月でした。

 20216月、カンファレンスに参加して関係者に自薦ヘルパーについて説明、協力を依頼。

 20217月、重度訪問介護の時間数 744/月(2人介護可)が認められましたが、Tさんご夫妻としては、24時間2人介護が可能な時間数、1488時間/月を希望されていました。しかし、K市の担当者やケアマネにもなかなか必要性が認めてもらえず、「家族はいつ介護するのか」「前例がない」等と言われ続けていました。

 20219月から自薦ヘルパーを採用して利用開始。その後もTさんご夫妻の24時間2人介護を実現したいという思いが強かったため、とにかく申請してみようということに。

広域協会に相談して他市町村の24時間2人介護が認められたケースの受給者証の写しをいただいたり、実際にどのように交渉したのか助言をいただいたりして、K市との交渉に臨みました。この、他市町村の情報をいただけたことが、とても交渉に役立ちました。

 当日は他市町村の受給者証の写しや、ヘルパーさんが記録した夜間の介護記録などをK市の担当者に渡し、奥様からはご自身の体調について、介護をするのは難しいことを訴え、Tさんご本人もベッド上から2人介護の必要性を意思伝達装置を使って訴えました。

 その結果、2021101日から1488時間/月(2人介護可)が無事に認められました。

現在は、自薦ヘルパーの募集を続けながら、他事業所とも連携して、24時間2人介護の体制を作っているところで、まだTさんご夫妻の希望どおりの介護体制になるまでには道半ばです。

 しかし、「前例がない」と言い続けていたK市を動かして希望どおりの支給決定を受けられたことは、とても大きな成果だと思っております。

 

■人工呼吸器利用者の24時間介護と自立生活の事例

 

 

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