徳島県阿南市で申請から1週間で24時間の重度訪問介護が決定

ALS患者に月887時間を迅速決定

 

自治体での良い事例を紹介します。介護崩壊寸前のALS患者の事例で、徳島県阿南市が、申請からたった1週間で重度訪問介護月887時間を決定しました。

通常は非定形の長時間の重度訪問介護の決定には、2〜3ヶ月ほどかかることが多い中、これは素晴らしいことです。

少なくない自治体に誤解されていることが多いのですが、厚労省によると、法律上は非定形(支給決定基準を超える長時間支給のケース)の場合は市町村が審査会に「意見を聞くことができる」と法令で規定されていますが、「事前に意見を聞かなければならない」という規定ではないため、審査会を待たずに決定も可能です。

緊急時などは、非定型でも審査会の意見を聞かずにまず必要不可欠な支給量を決定して、あとから審査会の意見を聞く方法もあります。

いっぽうで、大きな規模の市などで、誤った内規を作っており、緊急時にも一切の例外を認めずに、審査会の意見を聞かない限り非定形の支給決定をしないケースがあります。

 

阿南市での今回の申請の支援や自薦の介護体制の構築支援を行っている全国広域協会の直営法人一般社団法人HKの高松の相談スタッフ西尾さんに詳細を書いていただきました。(高知県東洋町のALS患者の支援をしている記事を阿南市の福祉関係者が見て、問い合わせにつながったそうです)

 

阿南市で申請から1週間で887時間の重度訪問介護が決定

一般社団法人HK たかまつ24
西尾直子
no@kaigoseido.net

 

ケアマネさんからのお問い合わせ・ご相談で初めて徳島県阿南市のALSの方の訪問をしたのが202111月の上旬でした。
その方は、介護保険と障害サービス(身体介護・家事援助)を短時間ずつ細切れに利用しており、1日合計56時間程度の制度利用しかできていませんでした。
それ以外の時間については、夜間を含め毎日同居の高齢のお父様がお一人で全ての介助を担っていらっしゃる状況です。
ご本人も高齢のお父様への遠慮もあり必要な介助を受けることができない状態が長く続いていたようです。
ご家族・ご本人・ケアマネさんをまじえ何回かの話し合いを重ねた結果、今回長時間の重度訪問介護の申請をすることになりました。

重度訪問介護を申請するのにあたりご本人、ご家族が資料を作成することは難しい状況だったため今回、私(西尾)の方で添付資料として
・現在の生活状況や障害状況(発症の経緯、介助方法等)、
・ご家族の状況、
・今後の生活に関する意向
などをご本人、ご家族から聞き取り、ケアマネさんからの情報をまとめてA4で全15ページ程度の資料を作成して2021年12月22日に申請書とセットで市に郵送提出しました。


今回、阿南市にとって長時間の支給決定は初めてでしたが申請してから1週間で年末(12月28日)にはご本人の希望通り(12人介助:重度訪問介護月887時間)の時間 数の支給決定がおりました。
早速、常勤ヘルパーさん1名の研修がスタートしています。
これから、県外への旅行など、ご本人望む生活が実現できるようヘルパー体制をつくっていきたいと思います。

 

 



人工呼吸器利用者の24時間介護と自立生活事例


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