月 刊

全国障害者介護制度情報

ホームページ:www.top.or.jp/〜pp

 

今月の注目ニュース

★厚生省の「自薦についての指示文書」が、わかりやすく書き換えられました

 

★交渉を自治体と行っている方は、@お得で、A情報も多く入る「協議会の会員」に移行の申し込みをしてください。

 

 

編集:障害者自立生活・介護制度相談センター

情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会

3月号

 98.3.30

〜1月26日に以下の所在地に移転しました(電話番号は変わりません)

 

〒188−0011 東京都田無市本町5−6−20 第2和光ビル2F

 

発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文) (月〜金 11時〜17時)

        TEL・FAX 0077−2308−3493(フリーダイヤル)

        TEL・FAX 0422-51-1565

制度係(交渉の情報交換、制度相談)(365日 11時〜23時(土日は緊急相談のみ))

        TEL 0077−2329−8610(フリーダイヤル)

        TEL 0422-51-1566

        携帯  030−687−4399

郵便

振込

 

口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675

 

98年3月号 

 

目次

 

4・・・・10年度主管課長会議資料 特集

8・・・・10年度主管課長会議資料抜粋

12・・・千葉県市川市で自薦登録ヘルパーと

      全身性障害者介護人派遣事業が開始

18・・・97年度 自薦登録ヘルパー時間数(最新版)

22・・・介護保険法の解説とNPO法

25・・・3月3日の厚生省交渉の報告

28・・・ヘルパー研修の問題の解決法

33・・・10年度のヘルパー単価

34・・・ヘルパー補助金の事業費補助方式について

26・・・ホームページを無料でお作りします

42・・・障害者雇用助成の制度が一部改定

43・・・ホームページリンクをお願いします

 

 

 

介護制度の交渉の方法を勉強したい方は、次ページの資料集1巻「自薦登録方式のホームヘルプサービス事業」(第2版)を申し込みください。(交渉に必要なほとんどすべての資料=厚生省の通知資料、各自治体の最新事例資料、交渉方法を掲載しました)。交渉方法の前半部分を掲載しています。同時に制度係0077−2329−8610に同時進行でお電話ください。(後半については、前半の交渉の進み具合にあわせ、制度係からコピー禁止の専用資料をお送りいたします。)

次ページの資料集1・2・3巻とも申込みは発送係へ。

(1・2巻は第2版を発行しました)

申込みフリーダイヤルTEL/FAX 0077−2308−3493

ご注文はなるべくFAXで(品名、送り先を記入)。料金後払い。郵便振込用紙を同封します。内容に不満の場合、料金不要です。

TELは平日11時〜17時に受付。

 

交渉に必ず必要な最新資料・交渉方法はすべてこの中に掲載しました!発送係に申し込みください。

 

Howto介護保障 別冊資料   

1巻 自薦登録方式のホームヘルプサービス事業

97年10〜12月号の記事や厚生省通知を新たに加えた第2版ができあがりました。

262ページ 1冊1000円(+送料)  第2版発売中 申込みは発送係へ

この本の中身を紹介↓

第1章 全国各地の自薦登録ヘルパー

全国の一覧表・熊本市・東久留米市・保谷市・大阪府I市・四国のM市・千葉県・埼玉県・大阪府の通知・兵庫県A市・札幌市・浦和市

第2章 あなたの市町村で自薦登録の方式を始める方法

自薦登録ヘルパー方式のすすめ・自薦方式に変えていく方法 その1・その2(改訂版)・介護人派遣事業と自薦登録ヘルパーの違い

第3章 海外の介護制度 パーソナルヘルパー方式

   デンマークオーフスの制度・スウェーデンの制度・エーバルト・クロー氏講演記録

第4章 ヘルパー制度 その他いろいろ

    費用の保障で人の保障が可能・福岡県の状況・市役所のしくみ・厚生省の情報

資料1 自治体資料(東京都世田谷区の推薦登録ヘルパー)

資料2 厚生省の指示文書・要綱

6年度・8年度・9年度厚生省主管課長会議資料(自薦登録ヘルパーについて書かれた指示文書)・厚生省ホームヘルプ事業運営の手引き・厚生省ホームヘルプサービス事業の要綱255号・260号・ヘルパー研修の要綱・97年度の通知・ホームヘルプサービス事業実務問答集ほか

 

Howto介護保障 別冊資料 

2巻 全国各地の全身性障害者介護人派遣事業

10〜1月号の記事や東京都の新制度情報を新たに加えた第2版ができあがりました。

232ページ 1冊1000円(+送料)  第2版発売中 申込みは発送係へ

この本の中身を紹介↓

 全国の介護人派遣事業一覧表(最新版)・全国各地の全介護人派遣事業の最新情報と要綱や交渉経過など資料が満載。以下の全自治体の資料があります。

1静岡市・2東京都・3大阪市・4神奈川県・5熊本市・6兵庫県 西宮市・7宝塚市・8姫路市・9尼崎市・10神戸市・11岡山市・12宮城県と仙台市・13滋賀県・14新潟市・15広島市・16札幌市・17埼玉県・18来年度開始の4市・19フィンランドの介護制度資料・20東京都の新制度特集

 ほかに、介護者の雇い方・介護人派遣事業を使って介護派遣サービスを行う・介護者とのトラブル解決法・厚生省の情報 などなど情報満載  全232ページ

 

Howto介護保障 別冊資料 

3巻 全国各地のガイドヘルパー事業

86ページ 1冊500円(+送料)  好評発売中 申込みは発送係へ

 全身性障害者のガイドヘルパー制度は現在3300市町村の1割程度の市町村で実施されています。このうち、特に利用可能時間数の多い(月120時間以上)数市についての解説を掲載。また、これから制度を作る市町村が要綱を作る場合の参考になる要綱事例などを掲載。厚生省の指示文書も掲載。

 

10年度主管課長会議資料 特集

 

厚生省の「いわゆる自薦についての指示文書」が、わかりやすく書き換えられました。

 

 3月12日に厚生省で毎年恒例の障害保健福祉主管課長会議が開かれ、全国の都道府県・政令指定都市・中核市の障害福祉担当課長が集まりました。会議では、課長会議資料が配付され、それを元に厚生省の10年度の施策の方針が説明されました。

 この資料の指示事項として、例年掲載されている「ホームヘルパーの(いわゆる)自薦を認めますよ」という意味の部分は、今年度、以下のように文章が改善されました。

 

イ 訪問介護員の確保に当たっては、(中略)障害の特性に対する理解や利用者との間におけるコミュニケーションを必要とすること、同性の介護員の確保等の観点から、在宅の障害者等の介護経験を有する者の活用を積極的に図る等、障害専任の訪問介護員の確保に努めること。    

 (下線部が今年改善された部分)(当会が交渉および事務折衝を行い、「同性介護員の確保」や「在宅介護経験」等の文章を入れることができました)。

 

初めて同性ヘルパーの必要性も指示

 今回はじめて同性ヘルパーの必要性が書かれました。これを使えば、ますます自薦の交渉が簡単になります。

 

 従来の文章では、自治体が「障害者施設の元職員を常勤ヘルパーに確保すると言う意味ですか?」といった誤解をするケースなどがありましたが、今年度の文章ではかなり誤解の可能性が少なくなりました。この文章を市の課長などに見せながら、以下のように文書の説明、説得をしてください。

@全身性障害者など重度の障害者には一人一人障害に特性があって、介護方法も千差万別であり、たとえ介護福祉士などの資格を持っていても、その障害者の長期の介護経験がないときちんと介護が行えるわけではない。

A言語障害に対するコミュニケーションの技術はその障害者の長時間の介護経験がないと身につかない。

B厚生省も上記指示文書で指示しているように、男性障害者の入浴・排泄・着替え・抱え介護等には男性の同性ヘルパーが不可欠で、市には本来その人材確保の責任がある。

C「以上のようなことのできる「人材」の確保は、ヘルパー制度の建前では、本来市の責任で行われるべきものであり、それを可能にするには、厚生省の指示文書にもあるように、すでに在宅の障害者が確保している介護人をヘルパーとして確保するしかないでしょ。」・・・・「市の委託先の登録ヘルパー等に確保するという方法を多くの市では行っていますよ。」

 このように、順序だてて説得していきます。

ただし、相手が話を聞く姿勢になっているかどうかよく確認しながら話しをしてください。聞いてもいないのに、言いっぱなしではだめで、話の間に「ここはわかりますよね?」とか、「この点は確認できますよね」と相手の様子を探りつつ話しをしてください。

 上記の@〜Cの話しの途中で、相手と確認(同意)するポイントは、

1.ヘルパー制度というのは、派遣対象障害者の介護をきちんとできる人材(ヘルパー)の確保の責任が市にある制度である。(「この原則は確認できますよね」と言って確認を取る)

2.現状で市はその責任を果たせていない。(「その実態があることは認めていますよね」と確認)

3.解決する責任がありますよね。

4.解決可能ならば、その方法があれば、やらなきゃいけないですよね。

 

 なお、上記の部分だけではなく、ホームヘルプ事業要綱の本体(7ページ掲載部分)も合わせて行政に説明しないと、〔自薦〕の説明にはなりません。6・7ページに掲載した、市町村・県説得用の資料抜粋集最新版をコピーして市町村・県の担当者と話しをしてください。

 

 なお、昨年から書いてもらえた以下の文「通知等により指導」の文章を使い、県に交渉してください。県が市町村に対し上限撤廃等の通知を出すように国から指示されています。

ウ 派遣決定を行う場合、サービス量について上限を設定している市町村に対しては、直ちに撤廃させるよう通知等により指導すること

 これを使い、上限撤廃と、自薦の件、の2点について、同時に通知に盛り込んでもらい、県から市町村に通知を出してもらってください。昨年は、障害者団体の働きかけで千葉、埼玉、大阪府で、府・県からの通知が出ました。千葉ではこれを元に市と交渉し、2市でヘルパーの自薦が実現しました。ぜひ同じ交渉を各地で行ってください。

 

資料 市町村・県説得用の資料抜粋 最新版 介護者を登録するときに市町村に説明するのに必要な「厚生省の指示文書」

 

厚生省平成6年度社会・援護局主管課長会議指示事項より

 

4 サービスの内容等について

 @ ヘルパーが提供するサービスの内容をめぐって、利用者から次のような

  種々の問題提起がなされている。

   ア 日常生活のニーズに対応したサービスが受けられない。(量の不足)

   イ 身体障害者の身体介護のための体力や技術に欠ける者が派遣される。

   ウ 障害の特性についての理解に欠ける者が派遣される。

   エ コミュニケーションの手段に欠けるため十分な意思の疎通ができない。

   オ 同性ヘルパーを派遣してほしい。

 A 今後の事業運営に当たっては、こうした利用者の深刻な問題を踏まえその

  改善に努める必要があるが、その際、次のような視点が重要である。

      (中略)

   ウ 重度の身体障害者の中には、身体介護やコミュニケーションに当たっ

    て特別な配慮を必要とする者が少なくない。こうした者への派遺決定に

    当たっては、利用者の個別の事情を十分考慮し適任者の派遣を行うよう

    に努めることは当然であるが、こうした対応が可鮨となるよう実施体制

    について十分な検討が必要であること。この際、身体障害者の身体介護

    やコミュニケーションの手段について経験や能力を既に有している者を

    ヘルパーとして確保するような方策も検討に値すると考えられる。

 

 

平成10年度障害保健福祉主管課長会議資料より

 @訪問介護(ホームヘルプサービス)事業について

 

イ 訪問介護員の確保に当たっては、(中略)障害の特性に対する理解や利用者との間におけるコミュニケーションを必要とすること、同性の介護員の確保等の観点から、在宅の障害者等の介護経験を有する者の活用を積極的に図る等、障害専任の訪問介護員の確保に努めること。

 

 

資料 市町村・県説得用の資料抜粋 最新版 介護者を自薦登録するときに市町村に説明するのに必要な「厚生省の指示文書」

(前ページの主管課長会議資料と、このページの要綱抜粋資料は、両方、同時に市の課長などに見せて、解説してください。)

 

 厚生省更生課(現障害福祉課身障福祉係)は、「自薦」を認めるという方針を明確にするために、前ページのような指示文書を6年度の課長会議で出してくれました。ところが、この文書を見ても、

 「重度障害者の介護技術を有している人をヘルパーとして確保するのはいいが、推薦してくれた障害者にその人を派遣しろとは書いていない」

という自治体が出てきました。

 当会が、厚生省更生課に相談すると、以下のように解説してくれました。

 

「現状の派遣されているホームヘルパーでは、その重度障害者の介護技術やコミュニケーションの技術を有していないという理由で、その障害者が、自分の介護を行っている人をヘルパーに登録するのであれば、その介護者をその障害者にヘルパーとして派遣するのは当然です。市町村が確保しているヘルパーの中で、利用者の障害の状況や意向に1番適したヘルパーを派遣するというのは、当たり前のことです。そんな基本的なことはホームヘルプ事業要綱の中で書いています。居宅支援事業要綱(平成2年社更255号)の基本事項第1の4に書いてあります」

と言って以下のように解説してくれています。

 

「居宅支援事業要綱(平成2年社更255号)の基本事項第1の4には、

『実施に当たっては、その対象となる障害者の障害の状況に応じて(略)本人の意向を尊重しつつ、1の目的を達成するために、最も適切な事業及び便宜を選定(略)実施に努めること』

と書いてあります。自薦が最も適切ならば、そうするのは、当たり前なんです。」(厚生省担当者談)

 

 なお、前ページの課長会議資料指示事項が、いわゆる「自薦」のことについて書いているという事は、(市町村が県を通して)厚生省障害福祉課身体障害者福祉係の係長に問い合わせれば「そうです」と答えてくれます。

 

 ここからの3ページが、今年度の障害福祉課:課長会議資料(ホームヘルパー関連のページ)です。全文が必要な方は、100部程度印刷する予定ですので、ご予約下さい。(障害福祉課のみ700円+送料)

 

障害保健福祉主管課長会議資料

平成10年3月12日(木)

 

障害福祉課

 

 

1 障害者プランの推進

(1)在宅福祉施策の推進

 

@訪問介護(ホームヘルプサービス)事業について

 本事業は、障害者プランでは平成14年度までに45,000人(身体障害者、身体障害児、精神薄弱者、精神薄弱児、難病分)を障害者専任のホームヘルパーとして上乗せすることとしており、平成10年度予算(案)では8,600人増の24,100人分が計上されている。

 平成12年度に介護保険制度が導入されることを念頭におき、各都道府県等においては、障害者の訪問介護の需要が十分反映された制度の運用が、管下すべての市町村において図られるように、次のことについて指導の徹底をお願いする。

 

ア 予算面において在宅老人福祉事業と一体的に執行されていることから、老人福祉担

当課に事業の運用をまかせきりにすることのないよう、障害福祉主管課において、障害者の需要に応えることができる体制の確保のために、真に必要な事業量や運用の実態等を適正に把握し、市町村障害者計画等に基づいた訪問介護員の確保について、計画的な増員等の体制整備を図ること。

 

イ 訪問介護員の確保に当たっては、介護福祉士等の有資格者の確保に努めるとともに、

障害の特性に対する理解や利用者との間におけるコミュニケーションを必要とすること、同性の介護員の確保等の観点から、在宅の障害者等の介護経験を有する者の活用を積極的に図る等、障害専任の訪問介護員の確保に努めること。

 

ウ 派遣決定を行う場合、サービス量について上限を設定している市町村に対しては、

直ちに撤廃させるよう通知等により指導するとともに、重度の障害者に対するサービスの提供については、家事援助のみのサービスとならないよう、必要な介護サービスが十分提供できるようにすること。

 

エ 障害者の介護サービスは、高齢者と異なる需要もあることから、身体障害者療護施

設等を経営する社会福祉法人への事業委託を積極的に検討すること。

 

オ 市町村の本事業に対する住民への広報が不十分なため、利用が低調であることに鑑

み、あらゆる機会を通じ、十分な周知を図ること。

 

区 分

単 価 案

身体介護

2,890円/1単位

家事援助

1,790円/1単位

昼間帯

1,450円/1回

早朝夜間

1,810円/1回

深夜帯

2,890円/1回

(注)1 滞在型の1単位は1時間程度

2 巡回型の1回は30分程度(深夜帯は20分程度)

3 1単位・回には移動時間を含む

 

 

○24時間対応訪問介護員(巡回型)事業の活用について

 平成7年度より、老人訪問介護(ホームヘルプサービス)事業では、深夜等においても巡回して介護サービスを行う24時間対応型の訪問介護(ホームヘルプサービス)事業を実施しているが、この事業は身体障害者等も対象としているので、本事業の積極的な活用を図るよう指導願いたい。

 なお、老人福祉施設を中心としてすでに122市町村において実施しているところである。

 

 

○費用負担基準の改正について

 ホームヘルプサービス利用者の費用負担額の上限を930円から940円に引き上げることとしている。なお、改正後の基準適用は、平成10年7月を予定している。



費用負担基準の改正(案)

       現  行                  改正(案)

利用者世帯の階層区分

利用者負担額

(1時間当たり)

 

 

利用者負担額

(1時間当たり)


生計中心者の前年所

得税課税年額が40,001

円以上の世帯

 

930

 

 

 

 

 

940

 

 

 

 

○身体障害者外出介護員(ガイドヘルパー)養成研修事業等について

 平成9年度予算より、外出介護員(ガイドヘルパー)養成研修事業に係る経費が計上されたところであるが、これにより、外出介護員(ガイドヘルパー)に必要な専門技術の習得に関する研修を積極的に実施し、適切なサービスが提供できるよう体制整備をお願いするとともに、これまで外出介護(ガイドヘルプ)サービスを実施していない市町村においては、需要をよく把握し、事業を適切に実施できるようご指導願いたい。

 なお、研修カリキュラムについては、「ガイドヘルパー養成研修事業の実施について」(平成9年5月23日障障第90号)で示したところであるが、現在それに基づいた研修テキストを検討しているところであり、来年度早々にはお示しすることとしている。

 

 また、訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修事業の実施に当たっては、現に訪問介護員(ホームヘルパー)として活動している者や内定している者のうち、まだ養成研修を受講していない者については速やかに受講できるよう配慮願いたい。

 

 

 

(以上。下線は当会でつけました)

 

ガイドヘルパー実施の指示文も出ました

 

 10年度の主管課長会議指示文では、まだガイドヘルプサービスを実施していない市町村に対し、県が指導するようにと書いています。これを使ってまだ制度のない市町村の方は県や市に交渉してください。

 

○身体障害者外出介護員(ガイドヘルパー)養成研修事業等について

 平成9年度予算より、外出介護員(ガイドヘルパー)養成研修事業に係る経費が計上されたところであるが、これにより、外出介護員(ガイドヘルパー)に必要な専門技術の習得に関する研修を積極的に実施し、適切なサービスが提供できるよう体制整備をお願いするとともに、これまで外出介護(ガイドヘルプ)サービスを実施していない市町村においては、需要をよく把握し、事業を適切に実施できるようご指導願いたい。

★交渉を行う方は、資料集3巻『ガイドヘルパー』を必ず買って読んでください。交渉を行う上での注意事項や、ほかの年度の厚生省指示文書等を掲載しています。

 

 ガイドヘルパー制度は、同じヘルパー制度を行う老人部局にはない制度で、厚生省の障害部局が今後特に重視している制度です。65歳以上の障害者は介護保険に組み入れられると今の(市が行う)ヘルパー制度は受けられなくなりますが、ガイドヘルパー制度は介護保険に組み入れられず残ることになっているので、今後も制度を受けることができます。(ガイドヘルパーや手話通訳は障害者のニーズ特性に即した制度なので介護保険に入らない)。

 

 また、ガイドヘルパーの研修事業は、まだほとんどの都道府県で行われていませんが、この事業を障害者団体で受託したいという団体は、今年度の都道府県の予算を県にすぐ聞いて、予算がついていれば、もう委託先は決めたかどうか聞き、まだなら、「委託を受けたい」と話し合いをしてください。

 

 

自薦登録ヘルパーの交渉方法と、ガイドヘルパーの交渉方法のお問い合わせは、制度係フリーダイヤル:0077−2329−8610(11時〜23時:365日対応)まで。お電話いただければ、必ず交渉がうまく行く方法がわかります。お電話お待ちしております。

 

千葉県市川市で自薦登録ヘルパーと全身性障害者介護人派遣事業が開始

 

全身性障害者介護人派遣事業

 昨年、県内の障害者団体の交渉で県が市町村あてに自薦登録推進の通知を出した千葉県では、今年度(10年度)4月から市川市で全身性障害者介護人派遣事業が開始されます。昨年はじめから市川市の障害者団体が市と交渉していました。昨年9月に福祉部として予算要求したものの、この緊縮財政のおかげで財務部に当初カットされ、市長裁定でなんとか復活しました。

 市川市では、昨年夏に団体の要望を受け、市内の全身性障害者のうち、・単身障害者の世帯・障害者のみの世帯・障害者と65歳以上の世帯、にアンケートを行い、ニーズ把握をした後、制度の予算要求を行いました。

 

市川市の制度単価全身性障害者介護人派遣事業

月時間数

時給

月合計

寝返りが不要な人

120時間

1450円

17万4000円

寝返りが必要な人

150時間

1450円

21万7500円

 市川市では、自薦のできる福祉公社のヘルパー派遣時間帯が夕方8時までのため、全身性障害者介護人派遣事業を新設するにあたり、夜8時以降を派遣事業の対象にすることで、両方の制度が必要であるという説明を財務部などにすることができました。

 

自薦登録ヘルパーも、昨年9月に開始

 市川市では、昨年から自薦登録ヘルパーも開始されています(3ページ先に市の資料を掲載)。これも、県の通知を受けて、市への障害者団体の交渉によるものです。残念ながら、3級研修(のうち講義25時間のみ)を受けなくては登録できないため、今のところ利用者はいません。今後、研修を登録後でも可にするなどの交渉を進めていく予定です。

 

 

 

市川市全身性障害者介護人派遣事業概要

 

1.目的

 重度の全身性障害のため、日常生活を営むのに著しい支障がある者に対して介護人を派遣し、身体介護等を行うことにより、全身性障害者の生活の安定を図るとともに、自立と社会参加を促進することを目的とする。

 

2.全身性障害者の定義

 18歳以上の全身性障害者で肢体不自由1級手帳所持者のうち次のいずれかに該当する者

・特別障害者手当受給者又はこれと同等の障害を有する者

・障害の原因が脳性麻痺による者

 

3.派遣対象世帯

・障害者のみの世帯

・障害者と18歳未満の世帯

・障害者と65歳以上の世帯

・その他これに準ずる世帯と市長が認めた世帯

 

4.介護人

 介護人として推薦され、登録された者。但し、三親等以内の親族は除く。

 介護人の確保やスケジュール管理等については障害者本人あるいは家族がおこなう。

 

5.派遣時間

 午後8時から翌朝8時までの介護を要する時間で原則午後8時から10時、午前6時から8時の間とする。1日、4時間で1ヶ月30日で120時間を限度とする。

 但し、夜中の体位変換等ある時は、これに1日1時間を追加できる。

 

6.介護料

 ホームヘルプ事業の身体介護、家事介護の時給(基本的には身体介護)

 福祉公社と同じ金額とする。

 

平成10年度 身体介護(時間外)1,450円

       家事援助(時間外)1,310円

 

公社の時給

時間

9-17

17-20

年末・年始

家事

1,050

1,160

1,310

身体

1,150

1,270

1,450

 

 

7.利用者負担金

 ホームヘルプ事業と同様の負担金 所得税の階層区分により0円から920円

 

生活保護世帯、非課税世帯   0円

課税年額 10,000円以下の世帯 250円

課税年額 30,000円以下の世帯 400円

課税年額 80,000円以下の世帯 650円

課税年額140,000円以下の世帯 850円

課税年額140,001円以上の世帯 920円

     

8.ホームヘルプ事業との関連

 併用利用可 午前8時〜午後8時  福祉公社のヘルパー派遣利用

       午後8時〜翌朝8時  介護人派遣制度利用

 

  このように、昼は自薦ヘルパー、夜は介護人派遣事業、と色分けすることで、市川市では同時に2つの制度の確立ををスムーズに行えました。(このように、昼間はヘルパー制度で対応し、ヘルパーの派遣対象時間外の夜間は派遣事業で対応するという理屈で派遣事業を制度化する自治体が最近増えています)

 当初、市も交渉団体も県の通知を一方の制度のみに対する通知かと勘違いしていましたが、交渉で理解してもらえました。

 他の市で交渉される方も、2つの制度を混同しないようによく把握してください。

 市川市の介護人派遣事業運営方法(画像)

 

 

 

自薦登録ヘルパーについての市の資料(市川市)

 市川市のヘルパーは福祉公社に委託されており、従来から主婦などが公社にヘルパーとして登録していた。自薦についての県の通知と障害者団体からの交渉を受け、市は以下のような「自薦方式について」という文書を作った。

 

市川市の資料

 

公的ホームヘルプサービスに係わるヘルパーの自薦方式について

平成9年9月9日

 

 

1.利用対象者

 18歳以上の全身性障害者で肢体不自由1級手帳所持者のうち、障害者のみの世帯、障害者と18歳未満の世帯、障害者と65歳以上の世帯で次のいずれかに該当する人。

・特別障害者手当受給者またはこれと同等の障害を有する人。

・障害の原因が脳性小児麻痺による人。

 

2.自薦方式

 利用者がサービスを提供する適任者を探し、本人合意の基に推薦するもの。

推薦された者は福祉公社の協力会員(編注:登録ヘルパーのことを市川市の福祉公社では協力会員と呼んでいる)として福祉公社に入会していただき、協力会員として、福祉公社会員規則に基づき活動をしていただく。

 利用者が自薦できる人の範囲は、配偶者及び3親等内の親族と同居人は除く。

 

3.協力会員として入会していただく際の条件

(1) 原則として、20歳以上の人

(2) 市川市内に居住している人

(3) 心身共に健全な人

(4) 福祉公社の事業の趣旨に賛同し、福祉に関し理解と熱意のある人

(5) 3日/週以上活動日を登録していただける人

(6) 自薦方式の利用者以外にもサービス提供ができる人

(活動登録をしている日時で空いている時間帯)

(7) 活動のための研修を受講できる人

 平成9年度については、3級ホームヘルパー養成研修受講。

 なお、介護の経験を重ねている人は、実技と在宅福祉サービス提供現場の見学は省くことが出来るが、経験のない人は全課程を受講。

 但し、全課程受講者に限り、3級ホームヘルパー養成研修修了証を発行する。受講のためのテキスト代6,500円、その他実習先への交通費等は自己負担。

 

4.その他(自薦方式でホームヘルプ活動を行うにあたってのお願い)

○ ホームヘルプサービスの内容、日時は、福祉公社から依頼されたサービ  スの範囲で行って下さい。

○ スケジュール表で依頼された活動日時を変更する場合は、必ず福祉公社  に連絡をして下さい。

○ 医療に関することは、主治医などにまかせて下さい。

○ 活動中に事故やトラブルがあった時は、速やかに福祉公社に連絡して下  さい。

○ 利用者宅に着いてから退出するまでの時間が活動時間です。

 

 

(平成9年9月4日 市川障害者市民ネットワーク・(財)市川市福祉公社・市川市)

 

 

 残念ながら、今のところ研修を受けないと福祉公社にヘルパー登録できないため、使いづらい制度になっている。「他のほとんどの自薦OK市では、研修は不要)。

 厚生省は「研修は必ずしも事前に行わなければならないわけではなく、ヘルパーになって一定期間ののちに研修を受けていただけるのなら、研修は後からでもかまわない」(老人福祉計画課係長&障害福祉課身障係長)と言っており、誤解のある自治体には(障害者団体から依頼があれば)電話しますと言ってくれている。(一定期間とはケースにもよるが、おおむね1年以内ということらしい)。

 今後の交渉が必要になります。

 

 

 

97年度 自薦登録ヘルパー時間数

       (最新版)

東京             (長時間の所のみ)

 これらはすべて、在住の全身性障害者が交渉してつくり上げてきた制度です。ひとつとして、勝手に制度ができた市・区はありません。下記の市・区は、当会の会員である一人暮らしの全身性障害者が住んでいて継続的に行政(区・市)と交渉している地域です(下表は一人暮らしの24時間要介護の障害者に対する時間数です)。

 

東京の登録ヘルパー方式、94年度〜97年度への変化の状況

市・区名

94年度

95年度

96年度

97年度

(週あたり)

(1日当り)

田無市

週105時間

週105時間

週105時間

週105時間

15時間

東久留米市

週84時間

週84時間

週84時間

週112時間

16時間

小平市

週18時間

週63時間

週84時間

週84時間

12時間

小金井市

週24時間

週24時間

週84時間

週84時間

12時間

保谷市

週18時間

週18時間

週72時間

週112時間

16時間

東村山市

週18時間

週18時間

週84時間

週84時間

12時間

清瀬市

なし

週84時間

週84時間

週84時間

12時間

町田市

週18時間

週84時間

週84時間

週84時間

12時間

立川市(注)

週63時間

週67時間

週67時間

週67時間

9.6時間

日野市

週63時間

週84時間

週84時間

週84時間

12時間

大田区

週18時間

週84時間

週84時間

週84時間

12時間

板橋区

週42時間

週84時間

週84時間

週84時間

12時間

N区(注2)

週36時間

週36時間

週36時間

週36時間

5.1時間

K区

週21時間

週21時間

週21時間

週63時間

 9時間

八王子市

なし

なし

週18時間

週84時間

12時間

    (*週84時間=毎日12時間)

(間い合わせは当会・制度係(電話番号は裏表紙に掲載)へ。くわしい説明ができます。各市・区への直接間い合わせはさけて下さい。 行政交渉でこれらの市に問い合わせを自分の市の職員からしてもらう必要のある場合は、事前に根回ししますので、必ず当会・制度係まで連絡ください。地元の団体の要望で、問い合わせをしてはいけない市もあります。)

(注)立川市は夜間単価で、時間単価が高いので、週84時間の市の受け取り額と同等の保障がある。(注2)N区は他に独自制度が56時間分ある。

 

 

全国(東京以外)                 (週40時間以上の市)

自薦登録ヘルパーと自薦のガイドヘルパー

(下表は一人暮らしの24時間要介護の障害者に対する時間数です)

地域・市の名前

96年度

97年度

(週当たり)

(1日当たり)

九州 熊本市

週40時間

週98時間

14時間

四国のM市 (ガイドヘルパーと合わせて)

週40時間

週84時間

12時間

四国のT市 (ガイドヘルパーと合わせて)  NEW

なし

週56時間

 8時間

大阪府I市

週68時間

週68時間

9.7時間

山陰のY市 (ガイドヘルパーと合わせて)

週42時間

週42時間

  6時間

北関東のU市 (ガイドヘルパーと合わせて)

週40時間

週40時間

5.7時間

南関東のR市 (ガイドヘルパーと合わせて)  NEW

週14時間

週52時間

7.4時間

北海道のS市 (ガイドヘルパーと合わせて)  NEW

週14時間

週40時間

5.7時間

(注)自薦ができるヘルパーとガイドヘルパーの時間数の合計。

四国のM市は、自薦ヘルパー1日4時間+ガイド8時間の合計時間数

山陰のY市は、自薦ヘルパー1日4時間+ガイド2時間の合計時間数

北関東のU市はガイドのみ。南関東のR市は自薦ヘルパー1日5時間+ガイド2.4時間の合計時間数

 

(問い合わせは当会・制度係(電話番号は裏表紙に掲載)へ。くわしい説明ができます。各市・区への直接問い合わせはさけて下さい。 行政交渉でこれらの市に問い合わせを自分の市の職員からしてもらう必要のある場合は、事前に根回ししますので、必ず当会・制度係まで連絡ください。地元の団体の要望で、問い合わせをしてはいけない市もあります。)

 

 

東京都の状況の補足

 

東京都内で、重度障害者が自分の介護者を(市・区や家政婦協会など委託先の)登録ヘルパーに登録して、ヘルパー制度を自薦方式で使っている市・区は、25市・区以上。そのうちの15市・区は、交渉を行った結果、ほぼ24時間、介護者を公的制度で確保できるようになっている。(東京の「区」は特別区で、福祉分野は「市」と同じ)。

 東京都内では、当会会員の一人暮らしの24時間要介護の全身性障害者がいる、20市区のうち16市区で24時間保障となりました。これは80%にも達します。

 また、地理的には、都心から10Km〜30Kmにある市区(普通の地価の住宅街)の「3分の2」で24時間保障が達成しています。(10Kmより都心に近いとビルばかりで住めない。30Kmより遠いと山間地で住めない)

 もう少し、24時間保障の市区が増えると、全国的に影響を与え、全国各地に広がりそうです。

 現在、一人暮らしの24時間要介護の必要性を訴えている全身性障害者が全くいない市で、当事者が一人暮らしを始めた場合、交渉ノウハウをもつ団体のバックアップがあれば、1〜2カ月で、必ず24時間保障にもって行けます。ただし、例えば同時に3〜4人が同じ市に自立した場合、予算が足らなくなるので、交渉は成功しません。(このようにいろいろ注意点があります。自立したい方は、当会・制度係 (電話番号は裏表紙に掲載) に注意点やノウハウを相談ください)

 

 

全国の状況の補足 (あなたの市でも交渉を!)

 

前ページの表の市を含め、自薦登録ヘルパー方式の交渉を行っている市は、

九州3市(鹿児島市、熊本市、北九州市)

四国2市(高松市、松山市)

中国9市(境港市、米子市、広島市、三原市、尾道市、岡山市、山口市、徳山市、宇部市)

近畿6市(神戸市、西宮市、大阪市、大東市、茨木市、豊中市)

中部3市(静岡市、新潟市、金沢市)

関東(東京以外)8市(川崎市、浦和市、熊谷市、松戸市、柏市、流山市、市川市、つくば市)

東北1市(山形市)

北海道1市(札幌市)

の、計26市。ほとんどが昨年・今年から交渉を始めたところで、いま、第1段階の「自薦登録ができるようになっている」市は、以下の12市。

 

九州2市(熊本市・鹿児島市)

四国2市(高松市、松山市)

中国3市(米子市、広島市、尾道市)

近畿3市(大東市、茨木市、豊中市)

中部1市(新潟市)

関東(東京以外)5市(川崎市、浦和市、柏市、市川市、つくば市)

東北1市(山形市)

北海道1市(札幌市)

 

第2段階の、「時間数の交渉」に入って、時間数が伸びている市が、前々ページの表の6市ほか。(繰り返しますが、市には直接問い合わせはしないで下さい)。

 

(この数字にはガイドヘルパーの数字は入っていません。ガイドヘルパーは自薦方式が基本のため、実施されるほとんどが自薦で、数が多く、把握できません。)

 

 

自薦登録ヘルパーの交渉をあなたの市でも始めませんか?

交渉をしたい方、ご連絡ください。厚生省の情報、交渉の先進地の制度の情報、ノウハウ情報、など、さまざまな実績のある情報があります。ぜひ地元での交渉にお役立てください。(当会制度係0077−2329−8610)(11時〜23時。土日もOK)

(定期的にご連絡いただければ、「短期間」で、「効率的」な交渉ができます。制度の時間数も伸びます。(実例 )当会に電話を頂かないで交渉を行った地域では、いままでのところ、満足な制度ができなかったという事例しかありません。当会の資料集・情報をぜひご利用ください。)

 

介護保険法の解説とNPO法

自立生活センターなどが介護保険のサービス提供事業者の指定を受ける方法

 

 NPO法が成立し、介護保険でのサービス団体になることを目指している、住民参加型団体、ボランティア団体、老人団体、障害当事者団体などは、非営利法人の手続きをこれからすることになると思います。NPO法では、基本的に、都道府県に名簿や規約を添えて手続きすれば、必ず非営利法人の認可を受けられることになっています。

 一方、介護保険法では、「厚生省の人員等の基準は満たさないが、一定の基準を満たせば、市町村の指定で、その市町村の範囲でサービスが行える」特例があります(法42条1項2号等)。

 

   ★介護保険サービス事業者の2つの種類

    

厚生省の指定基準を

満たす

・都道府県が指定

(全国で有効)

*公営サービス

*非営利法人(社会福祉法人・医療法人)

*民間事業者(株式会社等)

 (条件を満たす)

厚生省の指定基準を満た

さないが、一定の基準に

該当(基準該当サービス)

・市町村が指定

(市町村内でのみ有効) 

*民間事業者(株式会社等)

 (条件を満たさない)

*住民参加型団体等(NPO法人)

 

 市町村の範囲内でしたら、比較的ゆるい基準で、サービスが行えるということになります。

 細かい規定は、これから厚生省の省令等で決まることになりますが、情報は、順次各方面から出版される本などで手に入りますので、情報が必要な方は、定期的に新刊を購入してください。

 

 

★居宅介護サービス費の現物給付の仕組み(都道府県指定サービス事業者)

(法41条)

 現物給付の仕組み(画像)

 

・都道府県指定のサービス事業者は、上記のように現物給付を行えます。

・逆に市町村指定のサービス事業者は、「償還払い」となります(法42条)。つまり、先に費用を事業者に払い、介護を受け、後から、1ヶ月にかかった費用のうち認められるものの9割を保険から受け取ることになります。この介護給付の種類は、「特例居宅介護サービス費」と言います。

  

 

「特例居宅介護サービス費」には以下の3つがあります(法42条)

 1、要介護認定前にやむを得ず指定居宅サービスを受け、必要性が認められた場合

 2.基準該当サービスを受けた場合(市町村指定サービス事業者)

 3、離島で指定なしのサービスを利用したとき

 

なお、基準該当サービス(市町村指定サービス事業者)については、利用券(バウチャー)方式も検討されているので今後の情報を参照ください。

 

★1月に行われた介護保険担当課長会議の資料で、今後の介護保険の関係スケジュール(画像)

 

 

3月3日の厚生省交渉の報告

ヘルパーの研修の問題は別ページでも解説しています。

 

1時〜3時 障害福祉課 (2時間)

老人計画課

係長

 

ヘルパー制度の事業費補助方式については、おおまかな説明だけしてもらいました。

 ヘルパー制度の事業費補助方式については、基本的に10年度から全国の全市町村で「事業費補助方式」に(原則)移行します。(一部、東京都(の障害の部局)は、家政婦協会委託の問題などで、すぐに移行できないので、厚生省と個別に協議して、何年度から移行できるか話し合っています。ほかの県でもこういうケースがあるかどうかは不明)。

 

 八王子ヒューマンケアの中西さんからの「(事業費補助方式の通知と同時に昨年秋通知されたホームヘルプ事業実務問答集で通知された)ホームヘルパー派遣に当たっての「個別援助計画」策定の強化について、これは、ケアガイドラインと同じものか」と言う質問では、「ケアガイドラインのように広いものとは違い、個別援助計画は、ホームヘルパー制度の内部のものです」との回答がありました。

 

障害福祉課

係長

 

老人計画課

係長

 

 

ヘルパーの研修の問題は、自薦登録ヘルパーの交渉を行っている全国のいくつかの市で障害になっています。委託先で「登録ヘルパー」が行われていて、障害者自身が確保した介護人を登録しようとしても、市や委託先が「研修を先に受けないと登録させません」と言う市が増えてきています。

 

 老人計画課の係長にこの件について交渉しました。

結果、「ヘルパーの研修の要綱にも、研修対象者は「現にヘルパーとして活動しているもの」も含まれていますし、採用してから一定期間のうちに研修を行うのであれば、必ずしも事前に研修をしなければならないわけではない」と明言してもらいました。

 問題のある市町村には指導してもらえるかということですが、「ご連絡をいただければ説明はいたします」とのことです。(障害も従来から同じ回答)。

 

(電話してもらいたい市の方は、当会事務局までお電話下さい。厚生省担当者に依頼します)

 

障害福祉課

法令担当課長補佐

と係長

 

介護保険施行準備室

 

介護保険が始まったら障害者施策を別に受けられるようにするにはどうするか

 

 「障害の方ではどのような施策で行くのが可能性があるか」3〜4案を出して話をするつもりだったのですが、障害福祉課の課長補佐は、「10年度に決まる介護派遣モデルケースや11年度(99年度)の早い段階で決まる給付水準を見てからでないと、検討に入れない」「12年4月からの施行ですから、11年(秋)の予算要求には間に合わせます」と、現段階での具体的な話は無理であると繰り返しました。

(いろいろ裏事情が推測されます。これについては電話会議で説明します)

 交渉は、また別の機会を設けてこの問題だけで話し合いをしましょうということにして終わりました。

(なお、この件については今後、他団体にも呼びかけ、共同で取り組んでいきます)

 

 

資料集の広告(注文は封筒の表紙の用紙でどうぞ:発送係まで)

今年も厚生省の資料を印刷します。

 ・10年度主管課長会議資料 700円+送料

 ・10年度生活保護基準額・要綱集冊子 1000円+送料

 

 ・生活保護の新規申請書セット(無料)

 

 生活保護の冊子には住宅基準額全国表と大臣承認介護料全国表(3月末日にはわかります)も独自に掲載します。

 

3時半〜5時  保護課 (1時間半)

保護課 係長

 

 

大臣承認介護料が包括承認になって、早くなったのか

 

 継続申請を、厚生省に12月に上げてくる県もありました。

(全体の承認時期のリストは、「来年は出せるが今年は勘弁してください」とのことです。手元には作ってきてもらいました)。係長は、「今年度は「早くなる」と言っていて、こんなに遅くなってしまって本当に申し訳ないと思っている。来年度は書類の説明をしっかりして(課長会議や遅かった県には個別に電話して)、遅れないようにする。3月中に(遅かった県には)電話する。」とのことです。

 間違いの多いことで(一部差し戻し等)時間のかかる原因になっている書式も雛形(記入例)を作るかどうか考えるということです。(いずれにせよ、各申請者から市や県に毎週電話して、遅い場合、厚生省に連絡して説明してもらう必要があります)。

 

 生活福祉資金+生保でのクーラー購入の問題

 

「テレビや冷蔵庫と同様、自己負担のやりくりで買う人もいるので、個別ケースごとに(厚生省保護課で)決めるしかない。病院から出てすぐ必要だというケースなどは出さざるを得ないかと考えている。静岡の件はなるべく早く回答する。」

 

(以下、交渉の後の時間外で行いました)

一般基準と大臣承認の必要書類を完全に双方で確認

 

 保護課の虎の巻では、大臣承認の領収書は「2ヶ月でもいいがなるだけ12ヶ月が望ましい」と書いてありました。その他の申請書類一式(新規も継続も)は、当会の書式を見せて問題ないことを確認済みです。

 初めての生活保護申請の場合、介護料一般基準は1類や2類と同時に14日以内に認定するように、できていない市には県を通じて早く実態把握をする訪問等を行うよう指導をしてもらうことにしました。

 

 

ヘルパー研修の問題の解決法

 

 

 ヘルパーの研修の問題は、自薦登録ヘルパーの交渉を行っている全国のいくつかの市で障害になっています。委託先の社協や公社で「登録ヘルパー」が行われていて、主婦などが登録している場合、障害者自身が確保した介護人を登録しようとしても、市や委託先が「研修を先に受けないと登録させません」と言う市が増えてきています。

 

 古くから登録ヘルパーをはじめている市では、すでにかなりの数の主婦ヘルパーなどが活動しており、全員に研修を受けてもらうと派遣先に代わりの人を用意せねばならず、研修は自由参加という例が多くなっています。こういう市では、現に研修を受けていない人もヘルパーとして活動できているため、新たに登録する人にだけ研修を義務付けるわけには行かず、研修は登録の要件にはなりません。

 逆に、最近福祉公社を作って主婦などの登録ヘルパーをはじめた市では、厚生省(の老人の局)がヘルパー研修重視の方針になった後で、登録ヘルパーの募集をはじめたため、全員、「3級研修を受け終わってから、登録してください」という形になっています。この場合、全身性障害者の場合は「以下のように特別な事情があるので、他の登録ヘルパーとは違う取り扱いをするように」と交渉する必要があります。

 

解決方法は、全国各地でいろいろあります。(以下の実例は、いずれも老人介護向けの主婦などが登録する際には3級研修が必要なケースでの解決方法です)。

 

 

@現状のヘルパーでは対応できない重度障害者の場合に限り、まず推薦する介護人をヘルパー登録し、ヘルパーとして働き始め、9ヶ月以内に3級研修(の講義だけ25時間)を受ける条件で登録可能という方法(熊本市など)

 

A全身性障害者介護人派遣事業の対象者・介護人の組み合わせに限り、3級研修を免除するという方法(広島市)

 

B特別障害者手当て受給の全身性障害者などに限り登録できるという方法(東京都田無市の市登録ヘルパーなど)*注:委託先では全障害者が研修なしで登録可

 

C重度障害者の場合に限り、推薦する介護人がその障害者の介護に事前に40時間等以上従事している場合に研修を免除する方法(東京都世田谷区、小平市の市登録ヘルパー等)*注:委託先では全障害者が研修なしで登録可

 

 

これらの解決方法は、いずれも、

 「市が現状で、私の介護をできる人材(ヘルパー)を確保できていないでしょ」

と主張し、確保できていない責任を市と確認し、

「それでは確保の責任を果たすには、現実問題、私の介護人を登録できる方法でないと解決できないでしょう」。

等と話し合いを進めていって、このようないろいろな方法で解決したものです。

(詳しい交渉方法は、資料集1巻をお読みになり、当会制度係にお電話下さい)

 

 

厚生省に指導してもらえる範囲は

 厚生省は、老人の局を中心に全体方針として研修を進めている段階です。今の段階で「研修をすべて免除していい」と言うわけにはちょっといきません。

 ただし全ページの@番、熊本の例のように、「先に登録し、一定期間内に研修を受ける」という形ならば、いいですよと言っています。

 

つまり、厚生省のヘルパー研修の方針は、

1.これからヘルパーになる人も研修の対象者

2.現在ヘルパー活動中の人も研修の対象者(ヘルパーになって一定期間のうちに研修を受けるのであれば可)

ということです。

 

 厚生省の老人福祉計画課の係長は

「ヘルパーの研修の要綱にも、研修対象者は『ホームヘルプサービス事業に既に従事している者』も含まれていますし、採用してから一定期間のうちに研修を行うのであれば、必ずしも事前に研修をしなければならないわけではない

と言っています。

(障害福祉課の身障係も同じことを言っています)

 

上記の担当者の言っている根拠の部分の要綱や指示文書は以下のとおりです。

 

ホームヘルパー養成研修事業実施要綱

3 対象者

 原則として、ホームヘルプサービス事業に従事することを希望する者、従事するこ

とが確定している者又は既に従事している者とする。

 

課 程

概 要

受 講 対 象 者

時間

3級課程

ホームヘルプサービス事業入門研修

勤務時間の少ない非常勤ヘルパー、福祉公社の協力会員、登録ヘルパー等としてホームヘルプサービス事業に従事する者又はその予定者

50

 解説:「既に従事している者」が対象者になっています。

 

 

ホームヘルプ事業運営の手引き

○ 少なくとも、初めてホームヘルパーとして採用する場合には、事前に、それができない場合はできる限り早急に40時間研修(3級課程)を受講させなければならない。

解説:現に市が介護のできる人材(ヘルパー)を確保できていない場合で、障害者の介護をしている介護者をヘルパーとして市が確保する場合、上記の「それができない場合」にあたるので、事後研修となります。

 

 

10年度障害主管課長会議資料

 また、訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修事業の実施に当たっては、現に訪問介護員(ホームヘルパー)として活動している者や内定している者のうち、まだ養成研修を受講していない者については速やかに受講できるよう配慮願いたい。

 解説:同じく「既に従事している者」が対象者になっています。

 

 

「採用してから一定期間のうちに研修を行うのであれば、必ずしも事前に研修をしなければならないわけではない」 という点に誤解のある市に対して、厚生省担当者から電話をしてもらえるかということですが、「ご連絡をいただければ説明はいたします」とのことです。(障害も従来から同じ回答)。

(電話してもらいたい市の方は、当会制度係までお電話下さい。厚生省担当者に依頼します)

 

 

なお、厚生省からの電話で全てが解決するわけではありません。 「うちの市ではやりたいと思っているが、国がだめだと言っている」というところまで交渉を行って、その後電話をしてもらえれば、解決します。ところが、「うちの市としてもやりたくないし、厚生省もだめだと言っている」という段階では、電話がきても解決しません。

 まずは、しつこく「市が現状で、私の介護をできる人材(ヘルパー)を確保できていないでしょ」と主張し、確保できていない責任を市と確認してください。

その上で、以下の要綱なども使って、まず「現状のヘルパーで対応できない重度障害者」のみで特例で研修を後回し等の解決方法を交渉して下さい。

 その際、以下の要綱部分も参考にしてください。

 

ホームヘルパー養成研修事業実施要綱

1 目的

 高齢者の増大かつ多様化するニーズに対応した適切なホームヘルプサービスを提供

するため、必要な知識、技能を有するホームヘルパーの養成を図ることとする。

解説: 厚生省の研修の目的は『介護ニーズに対応した適切なホームヘルプサービスを提供できること』ということです。つまり、研修の目的は、きちんと介護できる人材(ヘルパー)を確保するということです。

「現状で、ニーズに対応した人を確保できていないのだから本末転倒でしょう」

と市と(研修事業の目的について)確認してください。

 また、研修は、『必要な知識、技能を有するホームヘルパーの養成』 をするためのものであり、自薦であれば、

必要な知識、技能はすでにあるわけだから、推薦した障害者の介護に派遣される場合に限り、3級研修受講は必要条件ではないでしょう」

と市と(研修事業の目的について)確認してください。

 

 

研修科目を免除

 以下の要綱部分を使って、研修の科目を減らしてもらってください。

 

ホームヘルパー養成研修事業実施要綱

5 保健婦等の資格を有する者等の取扱い

 看護婦、准看護婦、保健婦の資格を有する者、特別養護老人ホームの寮母とし

介護業務に従事した者については、それぞれの職種により既に研修したと同等の

知識等を有すると認められる研修科目を免除することとして差し支えない。

解説:「特別養護老人ホームの寮母等」の「等」には、在宅介護の介護者も含まれます。有料で介護に入っている場合「介護業務に従事した者」に該当します。この要綱は、県が実施主体である研修事業そのものの免除規定(つまり、研修機関の判断で免除でき、終了証ももらえる)ですが、考え方として準用できます。

 

 熊本市や千葉県市川市の例では、3級研修のうち、実技と実習を免除としています。

 

 

これらの交渉の進行に平行して、介護者の中に、3級研修を受けられる人がいる場合、先に受けてもらってください。また、介護福祉士の専門学校などが近くにあれば(介護福祉士は1級ヘルパー扱いになるので)、介護者のアルバイト募集などをしてみて、いい介護者がいれば、福祉公社等の登録ヘルパーに登録して、先に自薦ヘルパーとして利用をはじめてください。

 当面介護者1人でも、登録できれば、時間数を伸ばす交渉も早く取り組めます。それと同時進行で研修問題の交渉を行い、誰でも登録できるようにしていってください。

 

 

なお、すでにヘルパーとして働いているもの、内定しているものが研修を受ける場合、時給970円の国の補助金の対象となりますので、自治体によっては研修中は、時間970円程度がもらえます。(資料集1巻に掲載のヘルパー研修要綱を参照下さい)。

 

 

 

10年度のヘルパー単価

 

 10年度から人件費補助方式が廃止になり、事業費補助方式が全都道府県で(原則)導入されます。

 そのため、今までの@常勤・A非常勤日給・B非常勤時給の3つの補助金基準はなくなり、国の補助金基準額は(滞在型介護型の場合)すべて1時間2890円に統一されます。

くわしくは、今月号の後のページに解説をします。

 

10年度の事業費補助方式の補助金単価は以下のようになります。

区 分

単 価 

備考

身体介護

昼間帯

2,890円/1単位

滞在型の1単位は1時間程度

早朝夜間土日

3,610円/1単位

25%割増

家事援助

昼間帯

1,790円/1単位

早朝夜間土日

2,230円/1単位

25%割増

昼間帯

1,450円/1回

巡回型の1回は30分程度(深夜帯は20分程度)

早朝夜間

1,810円/1回

深夜帯

2,890円/1回

(注)1単位・回には移動時間を含む

 

 昨年までの1440円といった登録ヘルパーの時給の基準(全国的な基準)は、今後はなくなりますが、社協や公社の登録ヘルパーの時給が一気に2890円になるわけではありません。多くの市では、昨年の単価(たとえば1440円)+10円程度が、登録ヘルパーの時給になると思われます。今まで、交渉で、「国の単価では安すぎて、若い男性介護人などを確保するのは難しい。せめて時給2000円は必要だ」と交渉していた市では、来年以降、単価が上がっていくでしょうし、逆に、単価についての交渉を行っていなかった地域では、国の基準がなくなったので、今後、単価アップが行われない可能性があります。

 

 

ヘルパー補助金の事業費補助方式について

 

 ホームヘルプ事業の補助金が全自治体で10年度より(原則)『事業費補助方式』にかわります。

 今までは、『人件費補助方式』で、常勤月給28万4050円・非常勤時給1400円といった人件費の基準が厚生省で決められていました。

 今後は、市全体で、年間何万時間ヘルパー派遣したかで補助金の金額が決まり、常勤が派遣されるのか、非常勤が派遣されるのかは補助金の金額には関係なくなります。

 

 

 例えば、A市が年間1万時間ヘルパー派遣したとすると(この市は滞在型の介護のみを昼間のみ行ったとして)、2000万円予算がかかって、全てが対象経費だった場合、この市は1時間2000円×1万時間分の4分の3の補助金を県・国に請求できます。

 

 

 別のB市が年間1万時間ヘルパー派遣し(この市は滞在型の介護のみを昼間のみ行ったとして)、この市では常勤が多いので、3000万円予算かかり、全てが対象経費だった場合、この市は1時間3000円ではなく、上限の2890円×1万時間分の4分の3の補助金までしか県・国に請求できません。(2890円を超える部分は市の全額負担となる)。

 これは介護の昼間の補助金基準が1時間2890円(10年度)のためです。

 こういう市の場合はこれから登録ヘルパー等を増やして、時給1400円程度で働いてくれるヘルパーを増やさないと、補助金の割合が低く、市の負担が大きくなります。

 

 

  上記のB市のような市もかなりあると思われます。今後、介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーを伸ばしていくにあたり、@市直営で行う場合、市の常勤ヘルパーが多い場合は自薦登録の制度を伸ばすと市にとってプラスになります。(導入しやすくなる)。A委託先で行う場合、委託契約によって(1時間1600円程度の委託なら)プラスになります。それ以外の場合や上記A市のような場合は、いままでと市の負担は変わりません。(かかる費用の4分の3が補助されるのも、登録ヘルパーに払う金額も同じ)ただし、委託契約が1時間2890円での委託などに変わると、今までより(その委託先を使った)自薦ヘルパーの時間数アップが(そのままでは)面倒になります。

 

 以上のことから、今後は、交渉するにあたり、市のヘルパー予算書と派遣時間数の実績や見込みの資料、委託契約の内容などを調べなくてはなりません。(高齢福祉課にも話を聞きにいかなくてはならない)。

 たまたま上記@のような市だった場合、介護人派遣事業を新たに行っても、市の実質負担は減るので、制度は簡単にできます。(上記のB市の場合、昼間なら1時間2890円の半分以下の経費で制度を実施すれば、時間数が増えるほど市の負担は減る)

 

 

 ホームヘルプ事業の補助金の対象経費は、以下の範囲であると補助金要綱で規定されています。

「ホームヘルパーの設置、ホームヘルプサービスチーム運営及び市町村運営事務に必要な報酬、給料、職員手当等、共済費、賃金、報償費、旅費、需用費、役務費、委託料、備品購入費、使用料及び賃借料」

 この合計金額を派遣時間数で割った額がその市の補助金請求時の清算単価になります(本当は時間帯や家事介護のちがいで簡単に単価が出ない)。

 

 下に掲載の補助金要綱の表を見ればわかるように、いままでの人件費補助方式も、新しい事業費補助方式も、対象経費の範囲は同じです。

 

 

 この要綱は9年度のホームヘルプ事業を清算して補助金請求する際に使われます。人件費補助方式と事業費補助方式が両方載っています。交渉を行う方は必ず読んでおいてください。

 

 

 

この補助金要綱は、全部で204ページにも渡る資料で、25ページが要綱の本文、のこり179ページが自治体が国に出す在宅福祉事業の全制度の報告書書式となっています。介護保障協議会の会員団体のみにコピーをお分けします。2040円+送料

 

 

厚生省発老第19号

平成4年3月2日

最終改正 厚生省発老第82号

平成9年10月1日

  都道府県知事

各 指定都市市長 殿

  中核市 市長     厚生事務次官

 

在宅福祉事業費補助金の国庫補助について

 

別紙

在宅福祉事業費補助金交付要綱

 

(通 則)

 在宅福祉事業費補助金については、予算の範囲内において交付するものとし、老人福

祉法(昭和38年法律第133号)、身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号)、児童福祉法(昭和22年法律第164号)、精神薄弱者福祉法(昭和35年法律第37号)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和30年政令第255号)及び厚生省所管補助金等交付規則(昭和31年厚生省令第30号)の規定によるほか、この交付要綱の定めるところによる。

 

(交付の目的)

 この補助金は、市町村が行うホームヘルプサービス事業に要する経費等の一部を補助

することにより、在宅の老人等の福祉の推進を図ることを目的とする。

 

(交付の対象)

 この補助金は次の事業を交付の対象とする。

(1) ホームヘルプサービス事業

 老人福祉法第10条の4第1項第1号、身体障害者福祉法第18条第1項第1号、児童福祉法第21条の10第1項及び精神薄弱者福祉法第15条の3第1項の規定により市町村が行う事業並びに平成8年6月26日健医発第799号厚生省保健医療局長通知「「難病患者等ホームヘルプサービス事業運営要綱」に基づき、市町村が行う事業。

(2) ホームヘルパー講習会推進事業

 平成7年7月31日社援更第192号、老計第116号、児発第725号厚生省社会・援護局長・老人保健福祉局長・児童家庭局長通知「ホームヘルパー養成研修事業実施要綱」に基づき、都道府県又は指定都市が行う事業。

(3) ガイドヘルパー養成研修事業

 平成9年5月23日障障第90号厚生省大臣官房障害保健福祉部長通知「ガイドヘルパー養成研修事業実施要綱」に基づき、都道府県又は指定都市が行う事業。

(4) 難病患者等ホームヘルパー養成研修事業

平成8年6月26日健医発第799号厚生省保健医療局長通知「難病患者等ホームヘルパー養成研修事業運営要綱」に基づき、都道府県又は指定都市が行う事業。

 

(中略)

 

(交付額の策定方法)

 この補助金の交付額は、次により算出された額の合計額とする。ただし、次の表の第

2欄に定める種目ごとの額に1,000円未満の端数が生じた場合には、これを切り捨てるものとする。

(1) 3の(1)の事業並びに指定都市又は中核市が行う3の(8)、(9)及び(11)の事業

 次の表の第3欄に定める基準額と第4欄に定める対象経費の実支出額とを比較して少ない方の額と、総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額から、昭和51年5月21日社老第28号厚生省社会局長通知「老人ホームヘルプサービス事業運営要綱」及び「老人デイサービス運営事業実施要綱」並びに平成2年12月28日社更第255号厚生省社会局長通知の(別添1)「身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱」、平成8年6月26日健医発第799号厚生省保健医療局長通知「難病患者等ホームヘルプサービス事業運営要綱」、平成2年12月28日児発第991号厚生省児童家庭局長通知「心身障害児(者)ホームヘルプサービス事業運営要綱」、「高齢者世話付住宅(シルバーハウジング)生活援助員派遣事業実施要綱」に定める負担基準に従って徴収すべき額を控除した額に第5欄に定める補助率を乗じて得た額を交付額とする。

 

(中略)

 

1区分

2種目

3基準額

 

4対象経費

5補助率

居宅生活支援事業

ホームヘルプサービス事業費

次により算出した額の合計額とする。

1 手当等

 (1)により算出した額の合計とする。

 ただし、平成9年7月1日以降において事業費補助方式を導入する市町村に合っては、(1)により算出した額(事業費補助方式を導入する月の前月分に限る。)と(2)により算出した額(事業費補助方式を導入した月以降の分に限る。)の合計額とする。

 

(1)人件費補助方式

ア 一般基準

 市町村が直接実施する場合及び社会福祉協議会に委託して実施する場合に適用するものとする。

 ただし、特別養護老人ホーム、身体障害者療護施設、精神薄弱者援護施設等(シルバーサービスに委託した場合も含む。)へ委託している場合であって、当該施設等が常勤のヘルパーを雇用している場合は原則として、常勤のヘルパー3人までは本基準を適用することとし、4人目以降については、本基準を適用することとし、4人目以降については、本基準を適用するか、委託基準を適用するかは市町村の決定によるものとする。

(ア) 手当

 a 常勤職員(月額)

(就業規則等に基づいて、職員として本採用された者(通常、正規職員と呼ばれている者で、嘱託職員は含まない。)又は、1日の勤務時間が6時間以上で1週間の勤務日数が5日以上であり、かつ、1月の勤務日数が通常の正規職員の勤務日数の4分の3以上勤務している臨時職員等に該当する場合。)

284,050円×活動延月数

〔ただし、1月当たりの活動延時間数が、100時間以下(平成9年6月までは80時間以下)の場合は、事業委託基準を適用する。〕

b 非常勤職員(日額)

 (活動が半日の場合は0.5として算定する。)

(a)身体介護中心業務

 (対象者に対する業務のうち、中心となるサービスの内容が老人ホームヘルプサービス事業運営要綱4の(1)及び(3)のイ並びに身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱4の(1)及び(4)、心身障害児(者)ホームヘルプサー

 ホームヘルパーの設置、ホームヘルプサービスチーム運営及び市町村運営事務に必要な報酬、給料

1/2

ビス事業運営要綱4の(1)及び(4)、又は、難病患者等ホームヘルプサービス事業運営要綱4の(1)及び(4)に該当する場合(以下同じ。))

11,200 円×活動延日数

(b) 家事援助中心業務

(対象者に対する業務のうち、中心となるサービスの内容が老人ホームヘルプサービス事業運営要綱4の(2)及び(3)(イを除く。)並びに身体障害者ホームヘルプサービス事業運営要綱4の(2)、心身障害児(者)ホームヘルプサービス事業運営要綱4の(2)、難病患者等ホームヘルプサービス事業運営要綱4の(2)に該当する場合(以下同じ。))

7,440 円×活動延日数

(c) 身体介護中心業務と家事援助中心業務を併せて行う 場合

 次により求めた日額の和とする。

{11,200円×全派遣業務に占める身体介護中心業務時間割合}+{7,440円×全派遣業務に占める家事援助中心業務割合}

c 非常勤職員(時間給)

(a) 身体介護中心業務

1,400円×活動延時間数

b 家事援助中心業務

930円×活動延時間数

 なお、非常勤職員の早朝、夜間等通常の勤務時間以外の場合の基準額は、1時間当たり次の額とする。

@ 身体介護中心業務

1,750円

A 家事援助中心業務

1,160円

(イ) 活動費

a 常勤職員(月額)

7,000円×活動延月数

b 非常勤職員(日額)

 (活動が半日の場合は0.5として算定する。)

330円×活動延日数

c 非常勤職員(時間給)

40円×活動延時間数

 

イ 事業委託基準

 事業を委託して実施する場合に適用するものとする。

(ア) 身体介護中心業務

6,380円×派遣延対象者数

(イ) 家事援助中心業務

2,880円×派遣延対象者数

、職員手当等、共済費、賃金、報償費、旅費、需用費、役務費、委託料、備品購入費、使用料及び賃借料

 なお、早朝、夜間等通常の勤務時間以外の場合の基準額は、1時間当たり次の額とする。

a 身体介護中心業務

2,660円

b 家事援助中心業務

1,800円

 

(2)事業費補助方式

ア 滞在型

(ア)身体介護中心業務

2,860円×延べ活動単位数

(イ)家事援助中心業務

2,100円×延べ活動単位数

 なお、早朝、夜間等通常の勤務時間数以外の場合の基準額は次の額とする。

a 身体介護中心業務

3,570円×延べ活動単位数

b 家事援助中心業務

2,620円×延べ活動単位数

 滞在型の活動時間における1単位は、1時間程度とする。ただし、1時間を超えた場合は、30分毎に0.5単位を加算する。

(ウ)移動時間については、訪問先から次の派遣先に移動する場合について、次のように活動単位数を換算し、2,100円を乗じて得た額とする。

(a) 30分未満は0単位

(b) 30分以上1時間未満は0.5単位

(c) 1時間以上は1単位

イ 巡回型

(ア)昼間型

1,430円×延べ活動回数

(イ)早朝・夜間型

1,790円×延べ活動回数

(ウ)深夜帯

2,860円×延べ活動回数

 巡回型の活動時間における1回は、30分程度とする。ただし、深夜帯については、20分程度とする。

 

2 主任家庭奉仕員(チーフ・ヘルパー)手当

 当分の間、平成2年以前に任じられている者を限りとして、従前通りの取り扱いとする。

4,670円×活動延月数

 

3 チーム運営方式推進事業費

(1) 事業費

1チーム当たり

 

ア 主任業務手当

676,000円

イ 運営事業費

1,319,000円

(2) 備品購入費(初度設備費)

1チーム当たり

288,000円

 

4 市町村運営事務費

 ホームヘルプサービスの調査決定、募集等説明会資料作成、費用徴収事務、初任者業務必携作成及びホームヘルパー養成研修参加に必要な経費であって、厚生大臣が必要と認めた額。

 

5 24時間対応ヘルパー(巡回型)事業費加算

   厚生大臣が必要と認めた額

 

 

 

1区分

2種目

3基準額

4対象経費

5補助率

居宅生活支援事業

ホームヘルパー講習会推進事業費

厚生大臣が必要と認めた額

 ホームヘルパー講習会推進事業に必要な報償費、需用費、役務費、委託料、負担金、使用料及び賃借料

1/2

ガイドヘルパー養成研修事業費

厚生大臣が必要と認めた額

ガイドヘルパー養成研修事業に必要な報償費、需用費、役務費、委託料、負担金、使用料及び賃借料

1/2

難病患者等ホームヘルパー研修事業費

厚生大臣が必要と認めた額

 難病患者等ホームヘルパー研修事業に必要な報償費、需用費、役務費、委託料、負担金、使用料及び賃借料

 

1/2

(後略)

 

★この補助金要綱の9年度要綱(204ページ。自治体が国に出す在宅福祉事業の全制度の報告書書式(179ページ)込み)は、介護保障協議会の団体会員には2040円+送料でおわけします。(インターネットホームページには、ホームヘルプ事業関連部分の全文8年度と9年度分を掲載します)。

 

障害者雇用助成の制度が一部改定

 

 事務所の家賃助成3年間(2種作業施設)やパソコン等の購入・トイレ等の改造(1種作業施設)などの制度が変更になります。いままで、1種・2種のどちらか1回しか受けられませんでしたが、1人の障害者で3回(毎回1・2種どちらかを選ぶ)受けられる様になります。例えば2種の家賃助成などは、3年ごとに3回申請して、9年間使えるようになります。1回1種を使った人は後2回、2種を使えます。今までいた障害者職員も対象になります。

 助成率はそのままで、一人あたりの2種の上限が月20万円から月13万円になります。

 

 

前号の訂正

特別号の介護保障協議会の常任委員名簿

  近畿ブロック村田さんの団体名が変更していました

正しくは、 村田敬吾 :近畿  大阪府(自立生活センター・ほくせつ24)です.

 

月刊 全国障害者介護制度情報の定期購読(月250円)の申込みは、電話かFAX・はがきで。 料金後払い。(今なら、年度末の3月までの12ヶ月分=3000円)。内容にご不満の場合いつでも返金に応じます。

 

 

 

全国障害者介護保障協議会/障害者自立生活・介護制度相談センターが制作する資料集・冊子のご案内

 

日本にも、北欧なみの介護制度があった!

  HowTo介護保障

〜障害者・高齢者の豊かな一人暮らしを支える制度〜 

  出版社:現代書館  定価1545円

書店で注文ください。電話で注文したい方は、「BOOKSあすよむ」(03−3558−7331)へ注文ください。代引で宅配されます。

(当会の在庫はなくなりました)

 

 

 

今がチャンス!月刊 全国障害者介護制度情報の定期購読か相談会員・介護保障協議会の98年度会費を振込めば、

@資料集1巻「自薦登録ヘルパー」(1000円)を無料で差し上げます。(すでに無料でお送りした方は除く)

Aさらに、インターネットのホームページを無料でお作りいたします。ワープロ等で作った原稿を送ってください。そのままホームページに掲載します。文字のみ。日本語ワープロ24社のディスクをそのまま送っていただくか、ウインドウズのWORDか一太郎のディスクを送ってください。月々の費用も一切かかりません。パソコンもいりません。アドレスは、「www.○○○.or.jp/〜jj/団体名.htm 」 になります。

 

 

ホームぺ−ジリンクをお願いします。

当会のインターネットホームページアドレスは、

www.top.or.jp/〜pp(全部、半角、小文字)です

 月刊「全国障害者介護制度情報」や厚生省の通知等、その他資料、が見られます。

 全国の介護制度情報や厚生省の要綱を紹介している信州大学教員・立岩氏のホームページ(当会が関係ページにテキストデータ資料を提供)にもトップページからリンクしています。

 

同封の振込用紙は、請求書ではありません

 同封の郵便振込用紙は、会費や定期購読料の振込みに使っていただけるものです。

資料の料金払込みにも使えますが、振込みの場合は、あらかじめFAXか電話等で申し込んだもののみを振り込みください。(FAXか電話等での申込みなしに振込みがあっても、すでにお送りしたものか、これから注文したものなのかわからず、見落とすことがあります)。

 

原稿を電子メールで送ってくださる皆さんへ。当会あての電子メールアドレスは

インターネット:pp@yyy.or.jp

NIFTY  :CYR01164

PC−VAN :dpm82831

です。よろしくお願いします。なお、メールは、定期的には覗いていないので、原稿を送っていただいたときに、TEL/FAXで「メールを送った」と、ご連絡をください。

 

 

 

月刊 全国障害者介護制度情報 定期購読のご案内定期購読 月250円

障害者自立生活・介護制度相談センター/全国障害者介護保障協議会では、

「月刊 全国障害者介護制度情報」会員版・広報版を毎月交互に発行しています。

 1.3.5.7.9.11月は会員版(40〜52ページ)

 2.4.6.8.10.12月は広報版(4〜32ページ)(広報版はJIL発行「自立情報発信基地」の中のコーナーとしてお送りする月もあります)

電話かFAXで発送係に申し込みください。

障害者自立生活・介護制度相談センター

の相談会員(元の呼び名=正会員)募集 月500円

 定期購読のサービスに加え、フリーダイヤルで制度相談や情報交換、交渉のための資料請求などができるサービスは月500円(相談会員サービス)で提供しています。フリーダイヤルで制度相談等を受けたい方はぜひ相談会員になってください。

申し込みは、発送係まで。

発送係の電話/FAXは 0077−2308−3493(通話料無料)

 なるべくFAXで(電話は月〜金の11時〜17時)

FAXには、「@定期購読か正会員か、A郵便番号、B住所、C名前、D障害名、E電話、FFAX、G資料集2巻3巻を注文するか」を記入してください。(資料集を購入することをお勧めします。月刊誌の専門用語等が理解できます)

入金方法 新規入会/購読される方には、最新号会員版と郵便振込用紙をお送りしますので、内容を見てから、年度末(3月)までの月数×250円(正会員は×500円)を振り込みください。内容に不満の場合、料金は不要です。

今がチャンス! 今、定期購読申込みか相談会員申込みで、資料集1巻「自薦登録ヘルパー」を無料で差し上げます。

ホームページも無料でお作りいたします(前ページ参照)

 

 

編集人 障害者自立生活・介護制度相談センター

〒188−0011 東京都田無市本町5−6−20 第2和光ビル2F

    TEL 0077−2329−8610(制度)

    TEL・FAX 0422-51-1565(発送)

定 価 500円