★ ヘルパー時間数の決定方法が4月から改正
   支給決定前にサービス利用計画をつくる特定相談支援の詳細  

★医療的ケア(喀痰吸引と経管栄養)が法制化 4月実施が確定

6・7月号
2011.7.22
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
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2011年6・7月号    目次

   

3・・・・ヘルパー時間数の決定方法が4月から改正
     支給決定前にサービス利用計画をつくる特定相談支援の詳細

8・・・・都道府県指定の相談支援事業についての課長会議資料の解説
10・・・医療的ケア(喀痰吸引と経管栄養)が法制化 4月実施が確定
18・・・NPO法改正・障害者虐待防止法が成立
24・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



ヘルパー時間数の決定方法が4月から改正

支給決定前にサービス利用計画をつくる特定相談支援の詳細が公表


 数年前から紹介してきたヘルパー時間等の支給決定の改正問題ですが、来年4月実施になります。6月30日に厚労省で主幹課長会議があり、詳細が公表されました。
 4月以降は、まず特定相談支援事業所が障害者のサービス利用計画を作り、その計画を参考に市町村が支給決定を行う制度になります。介護保険のケアマネージャーに近い仕組みが障害にも始まるとも言えます。

 

6月30日主管課長会議資料より (以降の図表も同)

 



特定相談支援事業所は新設される仕組みで、市町村が民間の相談支援員のいる法人を指定します。今までの都道府県指定の相談支援事業所と同じ人員基準で、非常勤の相談支援員が1人いれば指定が取れる仕組みです。相談支援員には5年程度の実務経験と県等の実施する相談支援員向けの研修受講が必要です。今回の改正で、障害者団体などが行政からの補助を得ずに行なっている地域移行などの相談支援活動も相談支援員の実務経験として認められる事になりました。
特定相談支援事業所は一定期間ごとにモニタリングを行い、定期的に計画変更を行います。


なお、4月1日からいきなり全国1000市町村で特定相談支援事業所が揃わないと思われるので、2〜3年程度は事業所集が揃うのに時間がかかると思われます。また、大きな市では、事業所の数が最初は足りないため、24時間介護利用者など、長時間介護利用者からサービス等利用計画策定が始まると予想されます。このサービス利用計画は障害者自身が作ることも可能ですが、す



でに市町村の基準の上限までヘルパー時間を使っていて、さらにヘルパー時間数アップ交渉などを行っている障害者は、市町村より特定相談支援事業所にサービス等利用計画を作ってもらう事を時間数アップの条件とされると予想されます。これは、第3者の専門家の意見を付けないと、障害福祉担当課が上司や財務部門を説得できないためです。
 しかし、特定相談支援事業所は市町村指定のため、ヘルパー時間数を十分に出さない方針の市町村の場合、相談事業者が市町村の方針に沿った計画を作るという事例が起こりえます。




例えば24時間介護が必要な1人暮らしの障害者に対して、1日12時間しか重度訪問介護を支給決定しない市町村は全国の市町村数の9割です。これらの地域で、市の方針である上限12時間のサービスを前提に利用計画を作る特定相談支援事業所は多いと思われます。例えば、24時間介護が必要な障害者が1人暮らしをしたいと考え、利用計画を作ってもらった場合。本人の希望は24時間の重度訪問介護利用だった場合でも、「日中はデイサービス等を使い、深夜は巡回型サービスを使い、その他の時間も2〜3時間ごとに細切れの重度訪問介護サービス」を計画するということが想定されます。この計画では、重度訪問介護を24時間支給してくださいと市町村と話し合うことは不可能です。市町村は「第3者の専門家の作った計画では、これで生活ができる」と主張します。審査会でもこの計画案が妥当となります。障害者がヘルパー時間が足りないと、都道府県に不服審査請求をしても、この計画がある限り、計画に沿った市町村の決定が正しいと県は決定するでしょう。
このような事態を回避するためには、法に基づいた正しい計画を作る特定相談支援事業所を障害者団体が全国の市町村でつくり、適正な計画を作ることをやっていかねばなりません。(障害者自立支援法には、「障害者が自立した生活ができるような支給決定をする責務が市町村にある」と書かれています)。

 当会では、特定相談支援事業を始めたい障害者団体に設立サポートを行っています。また、より良い相談支援を行えるように研修会なども行っていく予定です。施設からの地域移行や、親元からの1人暮らしの支援、最重度の障害者の介護の相談など、様々な相談支援を長年行なっている障害者団体は、5年の実務経験にカウントされ、都道府県等の相談支援員向けの研修を受ければ、相談支援事業所の指定を受けられるようになりました。詳しくは、制度係までお問い合わせください。

 なお、6月30日の主管課長会議の資料全文は、当会ホームページからリンクしています。相談支援についても、ここに掲載した以外にも数ページ載っています。



都道府県指定の相談支援事業についての課長会議資料の解説


 現在の相談支援事業所は一般相談支援と名前を変え、引き続き都道府県指定で地域移行などに取り組みます。この一般相談支援と市町村指定の特定相談支援は同じ事業所が同じ相談員で両方の指定を取れます。
 指定をとれば、入所施設に訪問して、自立希望の障害者とヘルパー事業所への相談へ同行するなどの経費や、アパート探しの支援を行う場合の経費が公的に出る仕組みが検討されています。

6月30日主管課長会議資料より (以降の図表も同)






医療的ケア(喀痰吸引と経管栄養)が法制化
来年4月実施が確定


介護保険法などを改正する一括法案が衆参両院で可決され、6月15日に成立しました。このなかには、医療的ケアの一部(喀痰吸引と経管栄養)を法制化する「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正が含まれています。
今後、検討会の結果を踏まえながら、政省令と解釈通知等が作られ、来年(2012年)4月に制度が改正されます。

今回の法改正で、以下の部分が確定しました。改正法では、医療的ケアを提供できる介護従事者は、
・指定研修課程を修了した介護福祉士
・認定特定行為業務従事者
・登録研修機関から「不特定多数の者」に対する喀痰吸引と経管栄養の研修を受けて、認定証を受けた場合
・登録研修機関から「特定の者」に対する喀痰吸引と経管栄養の研修を受けて、認定証を受けた場合
・登録研修機関から「特定の者」に対する喀痰吸引の研修を受けて、認定証を受けた場合
・登録研修機関から「特定の者」に対する経管栄養の研修を受けて、認定証を受けた場合
・すでに喀痰吸引や経管栄養を行っていて、経過措置として都道府県知事から認定証を受けた場合
に分類されます。


ヘルパー事業所、障害者施設、高齢者施設、特別支援学校、普通学校などが、医療的ケアを提供しようとする場合には、都道府県の登録を受ける必要があります。その際、介護福祉士に医療的ケアを提供させる場合は「登録喀痰吸引等事業者」、認定特定行為業務従事者に医療的ケアを提供させる場合は「登録特定行為事業者」、と位置づけられます。

特定行為業務従事者に医療的ケアを研修する「登録研修機関」も、都道府県の登録を受けなければなりません。また、5年ごとに登録を更新する必要があります。

なお、登録喀痰吸引等事業者や登録特定行為事業者には、医療関係者との連携の下で医療的ケアを確保するなどの要件が課され、都道府県の監督を受けることになります。また、登録研修機関も、医師や看護師などを研修講師に据えるなどの要件が課され、都道府県の監督を受けることになります。その代わりに、これらの要件をすべてクリアしている場合には、都道府県は、登録喀痰吸引等事業者、登録特定行為事業者、登録研修機関の登録を拒否できない仕組みになっています。

法制化後の医療的ケアのフレームワークについては、次ページ以降をご覧ください(他団体作成資料)



法制化後の医療的ケアの具体的な制度設計については、現在、厚生労働省の「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」で議論されています。厚労省HPの下記URLに検討会の資料や議事録が掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html#shingi30

また、以前、当誌2010年7−8月合併号でも医療的ケアの特集記事「厚労省たんの吸引等の検討会の報告」掲載していますので、併せて参照してください。














 


 



 


 



 


 


 



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル FAX 0037−80−4446

2009年5月より重度訪問介護の給与に12%加算手当開始(条件あり)
(区分6むけ時給1250円の方は、加算がつくと、+150円で時給1400円に。)

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は求人して人が集まる金額にアップする個別相談システムもあります。

利用の方法
 広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から障害や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行いヘルパー制度の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。 介助者への給与は身体介護型で時給1500円(1.5時間以降は1200円)(東京都と周辺県は時給1900円。1.5時間以降は1300円)、家事型1000円、重度訪問介護で区分により時給1100(区分5以下)・1250円(区分6)・1450円(最重度)が基本ですが、長時間利用の場合、求人広告して(広告費用助成あり)人が確保できる水準になるよう時給アップの相談に乗ります。(なお、2009年5月より重度訪問介護のヘルパーには12%の手当てを加算します。(手当ては、厚生年金に入れない短時間の方のみ。また、契約時間120時間未満の利用者の介護者は加算がつきません)。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、重度訪問介護研修修了者などのいずれかの方である必要があります。(3級は障害の制度のみ。介護保険には入れません)。重度訪問介護は、障害者が新規に無資格者を求人広告等して確保し、2日で20時間研修受講してもらえば介護に入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

2009年10月よりさらに大幅時給アップ(東京ブロックほか)

 

 補正予算による基金事業を財源に、2009年10月より臨時手当がつきます。各地で額は違いますが、広域協会東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部)では、以下のように臨時手当により時給がアップします。

<09年10月以降の時給体系>(東京ブロック(東京都と千葉県西部、埼玉県南部、神奈川県北部、山梨県東部))

重度訪問介護(最重度) 1830円(基本給1450円+保険手当170円(※2)+臨時手当210円)
重度訪問介護(区分6) 1610円(基本給1250円+保険手当150円(※2)+臨時手当210円)
重度訪問介護(区分5以下) 1440円(基本給1100円+保険手当130円(※2)+臨時手当210円)
身体介護型(※1) 1.5hまで時給2110円(基本給1900円+臨時手当210円)
1.5h以降時給1510円(基本給1300円+臨時手当210円)
家事援助型(※1) 時給1210円(基本給1000円+臨時手当210円)
介護保険身体介護型(※1) 1.5hまで時給2090円(基本給1900円+臨時手当190円)
1.5h以降1490円(1300円+臨時手当190円)
介護保険生活援助型(※1) 時給1190円(基本給1000円+臨時手当190円)

(※1)身体介護型に3級ヘルパーやみなし資格者が入る場合、時給が70%(東京地区以外の場合1.5時間まで1050円、1.5時間以降840円)、家事援助・生活援助は90%(900円)になります。

(※2)保険手当は、当会で重度訪問介護を120h以上利用している利用者のヘルパーのうち、社会保険非加入者に対して支給されます。常勤の4分の3以上稼動して社会保険に加入した場合、手当の支給はありません

 

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます
求人広告費助成・フリーダイヤルでの求人電話受付代行なども実施

 全国広域協会の利用者の登録介助者向けに重度訪問介護研修を開催しています。東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能で、2日間で受講完了です。(東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でOK。残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。障害の身体介護に入れる3級ヘルパー通信研修も開催しています。通信部分(2週間)は自宅で受講でき、通学部分は東京などで3日間で受講可能。3級受講で身体介護に入ることができます。3級や重度訪問介護の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、研修参加費・東京までの交通費・宿泊費・求人広告費を全額助成します。(3級は身体介護時給3割減のため、働きながら2級をとればその費用も助成対象です)。求人広告費助成・フリーダイヤル求人電話受付代行、必ず人が雇える効果的な広告方法のアドバイスなども実施。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の自薦の利用についてのQ&A 求人広告費用を助成・ヘルパー研修の費用や交通費・宿泊費を助成

 自薦ヘルパーの確保は、みなさん、どうしているのでしょうか?
  知人などに声をかけるのでしょうか?

 多くの障害者は、求人広告を使っています。多いのはコンビニなどで無料で駅やコンビニなどで配布しているタウンワークなどです。掲載料は1週間掲載で1番小さい枠で2〜3万円ほどです。
  重度訪問介護は、かならず8時間程度以上の連続勤務にし、日給1万円以上で広告掲載します。無資格・未経験者を対象に広告を出します。
  全国広域協会では、求人広告費用も助成しています。(広告内容のアドバイスを広域協会に受け、OKが出てから広告掲載した場合で、雇った介護者が一定時間介護に入ったあとに全額助成)長時間連続の勤務体系を組めば、かならず介護者を雇用できるようにアドバイスいたします。
  また、求人広告は利用者各自の責任で出すものですが、問い合わせ電話はフリーダイヤル番号を貸付します。電話の受付も全国広域協会で代行します。   

  つぎに、数人〜数十人を面接し、採用者を決めます。採用後、自分の考え方や生活のこと、介護方法などをしっかり伝え、教育します。
  その次に、たとえば重度訪問介護利用者は、雇った介護者に重度訪問介護研修(20時間)を受講させる必要があるので、東京本部や東海・関西・西日本の関係団体などで、重度訪問介護研修(東京で受講の場合は2日間で受講完了)を受講させます。
  全国広域協会では、研修受講料・交通費・宿泊費も助成しています(自薦ヘルパーが一定期間介護に入ったあとに、全額助成します。)
 (障害のヘルパー制度で身体介護利用者は、3級研修を受講することが必要で、2週間の自宅学習のあと2泊3日で東京や西日本に受講に行く必要があります。3級は時給が3割ダウンです。働きながら2級研修を地元などで受講します。3級や2級の受講料は一定期間働いたあとに全額助成します)
 (介護保険で身体介護利用者のヘルパーは、2級を受講する必要がありますので、無資格者をいきなり雇用するのは困難です。2級限定の求人を出すしかありませんが、2級を持っている労働人口が無資格者に比べてとても少ないので、かなり給与が高くないと、求人しても人が集まりにくいです。最重度の場合は介護保険を受けていても、上乗せして障害の重度訪問介護などを利用できますので、まずは障害の制度部分のみで自薦ヘルパーを雇用して、働きながら2級をとり、介護保険も自薦にするという方法があります。この場合でも2級受講料を一定時間後に助成します)

ヘルパーの保険や保障も充実

 全国広域協会を使う障害者の自薦ヘルパーの怪我や物品損傷などの保険・保障は?

 民間の損害保険に入っているので、障害者の持ち物や福祉機器を壊したり、外出介護先で無くしたりしても、損害保険で全額保障されます。
 また、ヘルパーの怪我は労災保険で、治療代や収入保障が得られます。病気で連続4日以上休むと社会保険から(常勤の4分の3以上の人に限る)保障されます。通院・入院などは民間の損害保険からも給付が出る場合があります。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
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