★ 松山市で頚損や筋ジスも使える入院介護制度開始   西宮市の入院コミュニケーション支援の要綱確定

★国庫負担基準オーバー市町村への補助制度、基金上積み  県と交渉して市町村へ圧力を

6月号
2009.6.28
編集:障害者自立生活・介護制度相談センター
情報提供・協力:全国障害者介護保障協議会
〒187−0003 東京都小平市花小金井南町1-11-20花壱番館1階D
発送係(定期購読申込み・入会申込み、商品注文)  (月〜金 9時〜17時)
  TEL・FAX 0120−870−222 (フリーダイヤル)
  TEL・FAX 042−467−1460 (新番号)
制度係(交渉の情報交換、制度相談)(365日 11時〜23時(土日は緊急相談のみ))        
  TEL 0037−80−4445 (全国からかけられます)
  TEL 042−467−1470 (新番号)
電子メール:
郵便
振込
口座名:障害者自立生活・介護制度相談センター  口座番号00120-4-28675
 

2009年6月号    目次

   

4・・・・松山市で頚椎損傷など、言語障害者以外が使える入院時制度が開始
7・・・・兵庫県西宮市の入院コミュニケーション支援の要綱が最終確定
9・・・・5月28日障害保健福祉主管課長会議の報告
10・・・国庫負担基準オーバー市町村への補助制度、基金上積み
11・・・県と交渉してヘルパー制度の上限撤廃を
12・・・最重度が区分5になる逆転現象の事例も
14・・・CIL(自立生活センター)を作りたい方へ
16・・・全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内



愛媛県松山市で頚椎損傷や筋ジスなど、言語障害でなくても使える入院時制度が開始

NPO法人自立生活センター松山
代表 中村 久光

 当センターでは2000年3月より入院時にホームヘルパーを派遣して貰えるように継続して市役所障害福祉課と交渉してきた。しかし、ホームヘルパーは居宅へ派遣するという原則の壁を破ることができなかった。
  障害者自立支援法に変わり、地域生活支援事業のコミュニケーション支援を使って国庫補助事業として、市の負担は4分の1で、入院時制度の実施が可能となった。そのことを市役所障害福祉課に説明して制度化に向けた交渉が2008年2月から始まった。当時公表されていた要綱は神戸市のものだけだったので同じような(対象者が非常に狭い)ものにならないようにということを念頭に交渉を行った。
  その結果、今年度(2009年度)4月より、全身性障害者が入院中に使える制度が開始された。

制度の主な特徴

対象者 ・発語困難等により意志表示が困難な者
・区分6なら言語障害がない障害者も対象
時間数 1ヶ月200時間(1日12時間まで)
期間 原則1ヶ月で、必要に応じて退院するまで

以下、当制度の要綱を簡略して紹介していき説明を付け加えていく。

 

第2条 対象者

 原則として次の各号のいずれにも該当する障害者とする。
(1)市内に住所を有する者
(2)身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者
(3)重度訪問介護の対象者であり、かつ、居宅介護又は重度訪問介護を利用している者
(4)発語困難等により意志表示が困難な者
(5)単身世帯の者又はこれに準ずる者

 交渉を行っていく上で、普段は普通に話しが出来ても入院しなくてはならない状態になると普段通りには話しができなくなることをくり返し強く訴えていった。また、言語障害があり意思表示が困難な者で重度訪問介護の対象者でない者もいることや子供と2人暮らしの場合、子供が家計を維持するために働いている場合は介助ができないなどを訴えていき、対象者に『原則として』の文言を付け加えることにした。
 その結果として、障害程度区分6の障害者は介助方法等の伝える情報が多いため、頚椎損傷や筋ジスなど、言語障害でなくても使えるようになった。子供と2人暮らしで子供が家計を維持するために働いている障害者も使えるようになった。
 また、『原則として』の文言によって拡大されたその他の対象者は、入院時の状況により市役所障害福祉課と話し合いを行い使えるかどうかが決まる。

第3条、2

 1回の入院につき原則として最大31日までとし、1月の総支給量は200時間を上限とする。この場合において、1日当たり12時間を上限とする。

1月当たり200時間までであれば、1日当たりの上限12時間は当事者の使いたい日に使える。入院してから1週間というような制限はない。

第3条、3

 前項の期間を超えて入院する場合は、必要に応じて、派遣時間を継続できるものとする。

必要に応じては、退院するまでの意味である。

 この制度を創るに当たり当センターと市役所障害福祉課は10回の交渉を行った。途中からはALSの団体も加わっての交渉であった。お互いに思うところを述べて議論を重ねていき、骨格が出来上がったところで市役所障害福祉課が要綱の原案を作り、再度調整を行った。
 この1年間制度を使ってみて不具合が出てくれば要綱の見直しをしていきたい。

詳しくは当会制度係0037−80−4445または自立生活センター松山へ。松山市役所への直接の問い合わせはご遠慮願います。
なお、先月号の西宮の記事もお読みの上、お問い合わせください。
松山市の要綱は、当会ホームページに掲載します。

 



兵庫県西宮市の入院コミュニケーション支援の要綱が最終確定

先月号で詳細解説した、西宮市の入院コミュニケーション支援の要綱が最終確定しました。(制度開始後も、交渉した障害者団体と最終の変更の詰めが行われていました)
(先月号の記事:「兵庫県西宮市で、頚椎損傷や筋ジスなど、言語障害でなくても使える入院介護制度開始」を参照ください。)
 西宮市の要綱の全文は、ホームページに掲載しています。

 言語障害の無い頚椎損傷や筋ジス等でも、入院時に意思疎通が困難な状態だと医師の意見書で証明できれば、利用可能という制度運用です。この点は要綱だけを読んでもよくわからないようになっています(要綱の3条(3)の対象者の「発語困難等により意思の伝達が困難な者」の「等」がそれに当たる)。

  非公開の内部文書には「言語障害の無い障害者でも、入院時に意思疎通が困難な状態」だと医師の意見書で証明できれば利用可能と明記されています。

この制度を交渉して作った西宮市の障害者団体に、市の回答を、要綱についてQ&A形式にまとめてもらいました。

@第3条(3)

 「発語困難等により意志の伝達が困難なもの(意思疎通が可能な者や元来意思疎通が不可能な者を除く。)」

Q.制度対象外になる「元来意思疎通が不可能な者」とはどういう人を想定しているか?

A.認定調査の6の3の意思伝達の項目で「できない」の人が対象。  療育的なところがある。疎通も出来ない人。重心の方。

A第4条3 

「ただし、特に西宮市長が必要と認める場合を除き、・・・」

Q.市長が必要と認めたら、90日以上の支給もあるということか?

A.個別で検討し、必要ならありえる。(これは2月に局長交渉の時に要望し、局長判断で入れてもらいました)

※解説:この制度では原則90日までとなっているが、転院したらまた何度でも90日使える制度となっている。今は、入院から3ヶ月で病院から退院を言われるので転院するのが普通なので、交渉した団体はこの規定でよしとしたが、更なる交渉で、90日以上同じ病院で入院する場合にも特に認める場合は延長ができることになった。

B第6条3 

「支給決定機期間は10日以内、支給量は80時間以内とすることができる」

Q.これはどういうことか?

A.これは予備決定このと。入院になる前から対象になっている人は、入院前に予備決定をする。入院して10日を超えた場合は再度支給決定する。
  予備決定ができるのは言語障害のある人のみ。頸損・筋ジスなどは予備決定はできず、入院してから医師の診断書・意見書で対象となる。

C 第7条

 「・・・利用事業者と、利用契約を締結しなければならない」

Q.事業所は複数利用出来るのか?

A.できる。

西宮市の制度について、お問い合わせは、当会制度係0037−80−4445 または、メインストリーム協会までお願いします。西宮市役所への直接問い合わせは自治体からの問い合わせを除きご遠慮ください。

 



5月28日障害保健福祉主管課長会議の報告

 5月28日に、厚生労働省で都道府県などを集め主管課長会議が開催されました。(当日会議資料はホームページに掲載しています)
  今回は、現在国会に提出されている自立支援法改正法案(ただし審議は進んでいません)の簡単な解説と、平成21年度補正予算案による対策についての説明が中心でした。

 自立支援法改正案については、すでに公表されている資料に沿っての簡単な解説がありました。
(「自立支援法改正法案についての厚生労働省資料」は当会ホームページの5月28日課長会議の傍聴記録の記事内にリンク掲載)

  21年度補正予算案では、「福祉・介護人材の処遇改善」や「事業者の新体系移行の促進」などが説明されました。

  「福祉・介護人材の処遇改善」は、ヘルパーに一定水準以上の賃上げ(常勤ヘルパーなら1万5000円くらい)を行うなどの条件をクリアしている事業所に対して、事業規模に応じた助成金を支払うという内容です。たとえば長時間介護を必要とする全身性重度障害者の場合、個々人の障害特性に応じた介護技術が必要なので、ベテランヘルパーでないと十分な介護を受けられません。今年4月の報酬改定や今回の助成金でヘルパーの待遇が良くなれば、ヘルパーが長く働いてくれるようになるので、障害者の生活が安定しやすくなります。なお、事業所に対する具体的な助成額などの細かい条件についてはまだ決まっていません。

 「事業者の新体系移行の促進」は、18年度補正予算で造成された基金の積み増しです(2回目)。ヘルパー事業所を新しく立ち上げたときの備品費の助成などが新規メニューとして盛り込まれています。



国庫負担基準オーバーの市町村へ基金から補助する制度、今回の追加補正で基金が上積み

  主管課長会議の口頭での質疑応答では、今回の補正予算での交付金が、既存の基金事業メニューで使うことができるのかという質問がありました。これに対して、厚労省からは、355億円については基金の積み増しなので、これを既存メニューに活用できるとの返答がありました。

 

  18年度補正予算で基金造成(19〜20年度) 20年度補正予算で基金積み増し(21〜23年度) 今回の21年度補正予算で基金積み増し(21〜23年度)
事業者に対する運営の安定化等を図る措置(障害保健福祉部の管轄) 300億円/2年間 300億円/3年間 355億円/3年間
新法への以降等のための円滑な実施を図る措置(障害保健福祉部の管轄) 660億円/3年間 350億円/3年間
福祉・介護人材の処遇改善(障害保健福祉部の管轄) 1070億円/3年間
福祉・介護人材の緊急的な確保を図る措置(社会・援護局の管轄) 205億円/3年間 98億円/3年間
 
 
 
国庫負担基準オーバー市町村に対する補助事業は、ここのメニューの1つ
 

 

基金事業の中で、重度障害者にとって最も重要なメニューは国庫負担基準オーバー市町村に対する補助事業ですが、今回の355億円の一部も充当できるので、引き続き都道府県と交渉してください。詳しくは、2009年1月号など過去の解説記事「国庫負担基準オーバーの市町村に全額を国庫補助対象にする制度が開始!」(HPでは2008年12月26日掲載)を参照ください。



ヘルパー制度の上限撤廃のために、各県の障害者団体で県にも交渉が必要です。

 都道府県の中には、いままで国庫負担基準をオーバーしたことのある市町村にしか、この補助制度の詳しい説明をしていない都道府県もあります。しかし、それでは、市町村が障害者へ長時間のヘルパー時間数を決定しない傾向は変わりません。ほとんどの市町村はヘルパー制度の事業費総額が国庫負担基準をオーバーしていないからです。多くの市町村では市町村全体の合算で国庫負担基準を超過しないように、支給決定基準を低めに作っています。また、支給決定基準でまかなえない長時間のヘルパー利用者(非定形ケース)に対しても、国庫負担基準オーバーを気にして、ヘルパー時間に上限を設けるなど、必要な時間数を支給決定していません。これらの市町村に対して、都道府県が「国庫負担基準は事実上なくなったので、これからは、障害者が自立して生活できる支給決定を行ってください」と強く説明してもらう必要があります。(障害者自立支援法では、障害者が自立した生活ができるように支給決定をする責任が市町村にあると書いています。しかも、障害者自らが選んだ場所で(たとえばアパートで1人暮らしでも家族と同居でも)自立して暮らせるようにと書いています)
  県と交渉を行う団体は、要望書の見本などをお送りします。制度係(通話料無料 0037-80-4445 )にお問い合わせください。



最重度が区分5になる逆転現象の事例も

厚労省「障害程度区分二次判定事例集」を事務連絡で配布

 厚生労働省の5月15日の事務連絡「障害程度区分二次判定事例集」の事例の1番最後に「最重度の脳性まひ者が1次判定で逆転現象にはまってしまい、区分5になっている」事例が載っています。(ホームページにリンクを掲載)。
  このような事例を研究者の間では「要介護認定の逆転現象」と呼んでおり、介護保険の樹形図を使った要介護認定の仕組みでは必ず発生する問題です。障害の障害程度区分でも昨年度までの介護保険と同じ仕組みを使っているため、同じ問題が発生します。樹形図による区分判定結果は全国の市町村で使われている国作成のパソコンソフトでシュミレーションされ、これが1次判定の結果として審査会に報告されます。市町村の審査会では、逆転現象の知識の無い人がほとんどのため、それに気がつかず、障害が重いのに区分5になってしまっていても、そのまま気がつかないことが多いのが現状です。(このような障害者でも、109項目のどこか(たとえば移動が自分でできるなどの項目)を1〜2つ軽くすると区分6に上がることが、ほとんどです)。
  今回の厚生省資料131ページを見ると、調査109項目のほぼ全項目が「全介助」「できない」障害者なのに、最も重い区分6ではなく区分5になっています。この資料では、樹形図による1次判定の結果がおかしいということを審査会の委員が判断し、2次判定の審査会で区分6にしたという事例で掲載されています。
 現状の障害程度区分は、介護保険の要介護認定の方式を利用しており、90年代後半の老人ホームでの介護内容の実測時間が基礎データーになっています。当時の老人ホームでは最重度になると、寝たきりにさせられて排泄はオムツ、入浴はせず清拭、食堂などへ移動なし、など介護の時間をかけていなかったことなども、最重度になると逆転現象の出る理由の1つです。

 各地で障害者への相談支援を行っている団体や自立支援を行っている団体の皆さんは、このような逆転現象があることを理解し、障害状況を見て障害程度区分が低く出ている恐れがある場合は、要介護認定のシュミレーションソフトなどを使って、逆転現象に陥っていないか調査をしてみてください。
  また、市町村にもこのような情報を提供し、長時間の介護サービスが必要なのに区分が低く出ている場合は障害程度区分を疑ってみるようにしてもらってください。現状の障害程度区分の精度は低く、利用者の個々人ごとのヘルパー支給量などを決める厳密な指標に使うべきではありません。現状の障害程度区分の精度は、「数十人集まれば平均値で正しく出る」という程度と考えるべきです。そのため、市町村の国庫負担基準(普通、小さな自治体でも数十人以上利用者がいるので、それらを一括して足し算して計算することを想定)に使うツールである、という考え方でいいと思われます。

  現在、厚生労働省は要介護認定に知的や精神へも対応させた新しい方式に変えようと障害者関係団体・施設等団体と調整を続けていますが、樹形図の方式を使う限り、逆転現象の問題は解決しません。



CIL(自立生活センター)を作りたい方へ

自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会

通信研修参加希望者を募集中(受講料無料です)

 障害当事者が主体的にCIL(事業&運動)を行うための研修システムとして、通信研修と宿泊研修を組み合わせた研修を準備しています。エンパワメント方式の自立支援サービスを行いながら地域の制度を変える運動を行うという理念にそった当事者団体を作るという方は受講料無料です。内容は、団体設立方法、24時間介助サービスと個別自立プログラム、介護制度交渉、施設等からの自立支援、団体資金計画・経理・人事、指定事業、運動理念などなど。現在、通信研修の参加者を募集しています。(通常、CILの立ち上げには、古参のCILでの数年の研修(勤務)が必要で、運動経験や社会経験がある人でも2年2000時間ほどの研修時間数が必要です。しかし、大都市部から離れた地域でCILを作るためには、数年間の勤務研修は難しいため、地元で生活しつつ、通信研修や合宿研修で基礎を学んだ後、実地で少しずつ小さなCILを始めながら、毎週連絡を取りつつ5〜10年ほどかけてノウハウを覚えて成長していく育成方法を行っています)。
くわしくはお問合せ下さい。フリーダイヤル0120−66−0009(推進協会団体支援部10時〜22時)へ。

 

通信研修参加申込書(参加には簡単な審査があります)

団体名(            )

郵便番号・住所 名前 障害者/健常者の別&職名 Tel Fax メール
           
           
           
           
           
           

推進協会団体支援部 FAX 042-452-8029まで (次ページも参照してください)

各団体からの研修参加者の人数について

 通常、推進協会の主催する合宿研修には、障害者の役員・中心的職員で長時間要介助の方と、健常者の介護コーディネーターの両方の参加が希望です。団体ごとに2〜5人は参加してほしいと考えています。

参考資料:推進協会が通信研修を行う団体・個人の理念の条件です
(今すぐできなくても、力がついてきたら、必ずやるという理念を持っていただけるのでしたら対象になり得ます。研修を行い、出来るようになるまでバックアップします。)

推進協会支援団体基準について

(1) 運営委員会の委員の過半数が障害者であり、代表及び運営実施責任者が障害者であること。
 介助保障の当事者団体(介助を必要とする方自身で運営する団体)ですから、なるだけ介助ニーズの高い方を運営委員会にいれていくようにしてください。団体設立後数年たち、より重度の方が自立した場合などは、なるだけ運営委員会に加えて下さい。
(2) 代表及び運営実施責任者のいずれかが原則として長時間要介助の障害者であること。
 代表者及び運営実施責任者(事務局長)は、なるだけ、介護ニーズの高い方がなり、介護ニーズの低い方は例えば事務局次長としてバックアップする等の人事を可能な限り検討して下さい。また、団体設立後数年経ち、より重度の方が自立した場合などは、可能な限り役員に登用して役職としてエンパワメントしていってください。
(3) 24時間介助保障はもとより、地域にいる障害者のうち、最も重度の人のニーズに見あう介助制度を作ることを目的とする組織である。
 例えば、24時間の人工呼吸器を使って一人暮らししている方、24時間介助を要する知的障害者の単身者、重度の精神障害者の方、重複障害者、最重度の難病の方、盲ろう者など、最も重度の方に対応していくことで、それ以外の全ての障害者にも対応できる組織になります。
(4) 当事者主体の24時間の介助サービス、セルフマネジドケアを支援し、行政交渉する組織である、もしくはそれを目指す団体である。
 24時間の介助サービスを行うには、市町村のホームヘルプサービスの利用可能時間数上限を交渉して毎日24時間にする必要があります。交渉を行うには一人暮らしで24時間つきっきりの介助を要する障害者がいる事が条件となります。このプロジェクトではホームヘルプ指定事業の収益を使い、24時間要介助障害者の一人暮らしを支援、実現し、市町村と交渉することを義務づけています。ただし、その力量のない団体には時間的猶予が認められています。この猶予の期間は相談の上、全国事務局が個別に判断します。
(5) 自立生活運動及びエンパワメントの理念を持ち、ILプログラム、ピアカウンセリングを今後実施すること。
 介助サービスは利用者自身が力をつけていくというエンパワメントが基本です。具体的には介助サービス利用者に常に個別ILプログラム+個別ピアカウンセリングを行います。
(6)

身体障害に限らず、今後研修を積み、他の障害者にもエンパワメント方式のサービスを提供することを目標にしていること。

(注:個別ILプログラム等のエンパワメント方式のサポートや研修を行わずに、単にヘルパー派遣のみを知的・児童・身体・精神の各障害向けにすることは推進協会としては禁止しています。誤解がおきやすいので特に注意)

 



全国ホームヘルパー広域自薦登録協会のご案内

(介護保険ヘルパー広域自薦登録保障協会から名称変更しました)略称=広域協会
フリーダイヤル  0120−66−0009
フリーダイヤル 

2009年5月より重度訪問介護の給与に12%加算手当開始(条件あり)
(区分6むけ時給1250円の方は、加算がつくと、+150円で時給1400円に。)

自分の介助者を登録ヘルパーにでき自分の介助専用に使えます
対象地域:47都道府県全域

介助者の登録先の事業所のみつからない方は御相談下さい。いろいろな問題が解決します。

 全身性障害者介護人派遣事業や自薦登録ヘルパーと同じような登録のみのシステムを支援費ヘルパー利用者と介護保険ヘルパー利用者むけに提供しています。自分で確保した介助者を自分専用に制度上のヘルパー(自薦の登録ヘルパー)として利用できます。介助者の人選、介助時間帯も自分で決めることができます。全国のホームヘルプ指定事業者を運営する障害者団体と提携し、全国でヘルパーの登録ができるシステムを整備しました。介助者時給は求人して人が集まる金額にアップする個別相談システムもあります。

利用の方法
 広域協会 東京本部にFAXか郵送で介助者・利用者の登録をすれば、翌日から障害や介護保険の自薦介助サービスが利用可能です。東京本部から各県の指定事業者に業務委託を行いヘルパー制度の手続きを取ります。各地の団体の決まりや給与体系とは関係なしに、広域協会専門の条件でまとめて委託する形になりますので、すべての契約条件は広域協会本部と利用者の間で利用者が困らないように話し合って決めます。ですから、問い合わせ・申し込みは東京本部0120−66−0009におかけください。 介助者への給与は身体介護型で時給1500円(1.5時間以降は1200円)(東京都と周辺県は時給1900円。1.5時間以降は1300円)、家事型1000円、重度訪問介護で区分により時給1100(区分5以下)・1250円(区分6)・1450円(最重度)が基本ですが、長時間利用の場合、求人広告して(広告費用助成あり)人が確保できる水準になるよう時給アップの相談に乗ります。(なお、2009年5月より重度訪問介護のヘルパーには12%の手当てを加算します。(手当ては、厚生年金に入れない短時間の方のみ。また、契約時間120時間未満の利用者の介護者は加算がつきません)。介助者は1〜3級ヘルパー、介護福祉士、看護士、重度訪問介護研修修了者などのいずれかの方である必要があります。(3級は障害の制度のみ。介護保険には入れません)。重度訪問介護は、障害者が新規に無資格者を求人広告等して確保し、2日で20時間研修受講してもらえば介護に入れます。

詳しくはホームページもごらんください http://www.kaigoseido.net/2.htm

東京地区の身体介護時給が1900円にアップ

(身体介護を伴う移動介護も同単価。詳細はお問い合わせください)

自薦介助者にヘルパー研修を実質無料で受けていただけます
求人広告費助成・フリーダイヤルでの求人電話受付代行なども実施

 全国広域協会の利用者の登録介助者向けに重度訪問介護研修を開催しています。東京会場では、緊急時には希望に合わせて365日毎日開催可能で、2日間で受講完了です。(東京都と隣接県の利用者は1日のみの受講でOK。残りは利用障害者自身の自宅で研修可能のため)。障害の身体介護に入れる3級ヘルパー通信研修も開催しています。通信部分(2週間)は自宅で受講でき、通学部分は東京などで3日間で受講可能。3級受講で身体介護に入ることができます。3級や重度訪問介護の研修受講後、一定時間(規定による時間数)介護に入った後、研修参加費・東京までの交通費・宿泊費・求人広告費を全額助成します。(3級は身体介護時給3割減のため、働きながら2級をとればその費用も助成対象です)。求人広告費助成・フリーダイヤル求人電話受付代行、必ず人が雇える効果的な広告方法のアドバイスなども実施。

このような仕組みを作り運営しています
仕組み図

お問合せは TEL 0120−66−0009(通話料無料)へ。受付10時〜22時 
みなさんへお願い:この資料を多くの方にお知らせください。 介護保険ヘルパー広域自薦

登録保障協会 発起人(都道府県順、敬称略、2000年4月時点)

名前 (所属団体等)
花田貴博 (ベンチレーター使用者ネットワーク)
篠田 隆 (自立生活支援センター新潟)
三澤 了 (DPI日本会議)
中西正司  (DPIアジア評議委員/全国自立生活センター協議会)
八柳卓史  (全障連関東ブロック)
樋口恵子  (全国自立生活センター協議会)
佐々木信行 (ピープルファースト東京)
加藤真規子 (精神障害者ピアサポートセンターこらーる・たいとう)
横山晃久  (全国障害者介護保障協議会/HANDS世田谷)
益留俊樹  (NPO自立生活企画/NPO自立福祉会)
川元恭子  (全国障害者介護保障協議会/CIL小平)
渡辺正直  (静岡市議)
名前 (所属団体等)
山田昭義  (DPI日本会議/社会福祉法人AJU自立の家)
斎藤まこと (名古屋市議/共同連/社会福祉法わっぱの会)
尾上浩二  (障害者総合情報ネットワーク)
森本秀治  (共同連)
村田敬吾  (自立生活センターほくせつ24)
光岡芳晶  (特定非営利活動法人すてっぷ)
栗栖豊樹  (CILてごーす)
佐々和信  (香川県筋萎縮性患者を救う会)
藤田恵功  (土佐市在宅重度障害者の介護保障を考える会)
田上支朗  (NPO重度障害者介護保障協会)

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の自薦の利用についてのQ&A 求人広告費用を助成・ヘルパー研修の費用や交通費・宿泊費を助成

 自薦ヘルパーの確保は、みなさん、どうしているのでしょうか?
  知人などに声をかけるのでしょうか?

 多くの障害者は、求人広告を使っています。多いのはコンビニなどで無料で駅やコンビニなどで配布しているタウンワークなどです。掲載料は1週間掲載で1番小さい枠で2〜3万円ほどです。
  重度訪問介護は、かならず8時間程度以上の連続勤務にし、日給1万円以上で広告掲載します。無資格・未経験者を対象に広告を出します。
  全国広域協会では、求人広告費用も助成しています。(広告内容のアドバイスを広域協会に受け、OKが出てから広告掲載した場合で、雇った介護者が一定時間介護に入ったあとに全額助成)長時間連続の勤務体系を組めば、かならず介護者を雇用できるようにアドバイスいたします。
  また、求人広告は利用者各自の責任で出すものですが、問い合わせ電話はフリーダイヤル番号を貸付します。電話の受付も全国広域協会で代行します。   

  つぎに、数人〜数十人を面接し、採用者を決めます。採用後、自分の考え方や生活のこと、介護方法などをしっかり伝え、教育します。
  その次に、たとえば重度訪問介護利用者は、雇った介護者に重度訪問介護研修(20時間)を受講させる必要があるので、東京本部や東海・関西・西日本の関係団体などで、重度訪問介護研修(東京で受講の場合は2日間で受講完了)を受講させます。
  全国広域協会では、研修受講料・交通費・宿泊費も助成しています(自薦ヘルパーが一定期間介護に入ったあとに、全額助成します。)
 (障害のヘルパー制度で身体介護利用者は、3級研修を受講することが必要で、2週間の自宅学習のあと2泊3日で東京や西日本に受講に行く必要があります。3級は時給が3割ダウンです。働きながら2級研修を地元などで受講します。3級や2級の受講料は一定期間働いたあとに全額助成します)
 (介護保険で身体介護利用者のヘルパーは、2級を受講する必要がありますので、無資格者をいきなり雇用するのは困難です。2級限定の求人を出すしかありませんが、2級を持っている労働人口が無資格者に比べてとても少ないので、かなり給与が高くないと、求人しても人が集まりにくいです。最重度の場合は介護保険を受けていても、上乗せして障害の重度訪問介護などを利用できますので、まずは障害の制度部分のみで自薦ヘルパーを雇用して、働きながら2級をとり、介護保険も自薦にするという方法があります。この場合でも2級受講料を一定時間後に助成します)

ヘルパーの保険や保障も充実

 全国広域協会を使う障害者の自薦ヘルパーの怪我や物品損傷などの保険・保障は?

 民間の損害保険に入っているので、障害者の持ち物や福祉機器を壊したり、外出介護先で無くしたりしても、損害保険で全額保障されます。
 また、ヘルパーの怪我は労災保険で、治療代や収入保障が得られます。病気で連続4日以上休むと社会保険から(常勤の4分の3以上の人に限る)保障されます。通院・入院などは民間の損害保険からも給付が出る場合があります。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の理念

47都道府県で介助者の自薦登録が可能に 障害施策の自薦登録ヘルパーの全国ネットワークを作ろう

 2003年度から全国の障害者団体が共同して47都道府県のほぼ全域(離島などを除く)で介助者の自薦登録が可能になりました。

 自薦登録ヘルパーは、最重度障害者が自立生活する基本の「社会基盤」です。重度障害者等が自分で求人広告をしたり知人の口コミで、自分で介助者を確保すれば、自由な体制で介助体制を作れます。自立生活できる重度障害者が増えます。(特にCIL等のない空白市町村で)。

 小規模な障害者団体は構成する障害者の障害種別以外の介護サービスノウハウを持たないことが多いです。たとえば、脳性まひや頚損などの団体は、ALSなど難病のノウハウや視覚障害、知的障害のノウハウを持たないことがほとんどです。

 このような場合でも、まず過疎地などでも、だれもが自薦登録をできる環境を作っておけば、解決の道筋ができます。地域に自分の障害種別の自立支援や介護ノウハウを持つ障害者団体がない場合、自分(障害者)の周辺の人の協力だけで介護体制を作れば、各県に最低1団体ある自薦登録受け入れ団体に介助者を登録すれば、自立生活を作って行く事が可能です。一般の介護サービス事業者では対応できない最重度の障害者や特殊な介護ニーズのある障害者も、自分で介護体制を作り、自立生活が可能になります。

 このように様々な障害種別の人が自分で介護体制を組み立てていくことができることで、その中から、グループができ、障害者団体に発展する数も増えていきます。

 また、自立生活をしたり、自薦ヘルパーを利用する人が増えることで、ヘルパー時間数のアップの交渉も各地で行なわれ、全国47都道府県でヘルパー制度が改善していきます。

 2003年度、支援費制度が導入されることにあわせ、47都道府県でCIL等自立生活系の障害当事者団体などのNPO法人が全国47都道府県で居宅介護(ヘルパー)指定事業者になりました。全国の障害者団体で共同すれば、全国47都道府県でくまなく自薦登録ヘルパーを利用できるようになりました。これにより、全国で重度障害者の自立が進み、ヘルパー制度時間数アップの交渉が進むと考えられます。47都道府県の全県で、県に最低1箇所、CILや障害者団体のヘルパー指定事業所が自薦登録の受け入れを行い、全国47都道府県のどこにすんでいる障害者も、自薦ヘルパーを登録できるようになりました。(支援費制度のヘルパー指定事業者は、交通2〜3時間圏内であれば県境や市町村境を越えて利用できます)。

全国で交渉によって介護制度が伸びている全ての地域は、まず、自薦登録ヘルパーができてから、それから24時間要介護の1人暮らしの障害者がヘルパー時間数アップの交渉をして制度をのばしています。

自薦ヘルパーを利用することで、自分で介助者を雇い、トラブルにも自分で対応して、自分で自分の生活に責任を取っていくという事を経験していくことで、ほかの障害者の自立の支援もできるようになり、新たなCIL設立につながりがります。(現在では、雇い方やトラブル対応、雇用の責任などは、「介助者との関係のILP」実施CILで勉強可能)

例えば、札幌のCILで自薦登録受け入れを行って、旭川の障害者が自分で介助者を確保し自薦登録を利用した場合。それが旭川の障害者の自立や、旭川でのヘルパー制度の時間数交渉や、数年後のCIL設立につながる可能性があります。これと同じことが全国で起こります。(すでに介護保険対象者の自薦登録の取組みでは、他市町村で自立開始や交渉開始やCIL設立につながった実例がいくつかあります)

自薦登録の受付けは全国共通フリーダイヤルで全国広域協会で受付けます。全国で広報を行い、多くの障害者に情報が伝わる様にします。

自薦登録による事業所に入る資金は、まず経費として各団体に支払い(各団体の自薦登録利用者が増えた場合には、常勤の介護福祉士等を専従事務員として雇える費用や事業費などを支払います)、残った資金がある場合は、全国で空白地域でのCIL立ち上げ支援、24時間介護制度の交渉を行うための24時間要介護障害者の自立支援&CIL立ち上げ、海外の途上国のCIL支援など、公益活動に全額使われます。全国の団体の中から理事や評議員を選出して方針決定を行っていきます。

 これにより、将来は2000市町村に全障害にサービス提供できる1000のCILをつくり、24時間介護保障の全国実現を行ない、国の制度を全国一律で24時間保障のパーソナルアシスタント制度に変えることを目標にしています。

全国ホームヘルパー広域自薦登録協会の利用者の声

★(関西) 24時間介護の必要な人工呼吸器利用者ですが一般事業所はどこも人工呼吸器利用者へヘルパー派遣をしてくれないので、広告で募集した介助者に全国広域協会の紹介でヘルパー研修を受講してもらい、全国広域協会を利用しています。求人紙での求人募集方法のアドバイスも受けました。介助者への介助方法を教えるのは家族が支援しています。

★(東日本の過疎の町) 1人暮らしで24時間介護が必要ですが、介護保障の交渉をするために、身体介護1日5時間を全国広域協会と契約して、残り19時間は全国広域協会から助成を受け、24時間の介助者をつけて町と交渉しています。

★(東北のA市) 市内に移動介護を実施する事業所が1か所もなく、自薦登録で移動介護を使いたいのですが市が「事業所が見つからないと移動介護の決定は出せない」と言っていました。知人で介護してもいいという人が見つかり、東京で移動介護の研修を受けてもらい全国広域協会に登録し、市から全国広域協会の提携事業所に連絡してもらい、移動介護の決定がおり、利用できるようになりました。

★(西日本のB村) 村に1つしかヘルパー事業所がなくサービスが悪いので、近所の知人にヘルパー研修を受けてもらい全国広域協会に登録し自薦ヘルパーになってもらいました。

★(北海道) 視覚障害ですが、今まで市で1箇所の事業所だけが視覚障害のガイドヘルパーを行っており、今も休日や夕方5時以降は利用できません。夜の視覚障害のサークルに行くとき困っていましたら、ほかの参加者が全国広域協会を使っており、介助者を紹介してくれたので自分も夜や休日に買い物にもつかえる用になりました。

★(東北のC市) 24時間呼吸器利用のALSで介護保険を使っています。吸引してくれる介助者を自費で雇っていましたが、介護保険の事業所は吸引をしてくれないので介護保険は家事援助をわずかしか使っていませんでした。自薦の介助者がヘルパー資格をとったので全国広域協会に登録して介護保険を使えるようになり、自己負担も1割負担だけになりました。さらに、今年の4月からは支援費制度が始まり、介護保険を目いっぱい使っているということで支援費のヘルパーも毎日5時間使えるようになり、これも全国広域協会に登録しています。求人広告を出して自薦介助者は今3人になり、あわせて毎日10時間の吸引のできる介護が自薦の介助者で埋まるようになりました。求人広告の費用は全国広域協会が負担してくれました。介助者の時給も「求人して介助者がきちんと確保できる時給にしましょう」ということで相談のうえ、この地域では高めの時給に設定してくれ、介助者は安定してきました。

 
HOMETOP戻る