第5回介護保険保険制度の被保険者受給者の範囲に関する有識者会議

自薦ヘルパー(パーソナルアシスタント制度)推進協会本部事務局

12月5日、第5回介護保険保険制度の被保険者受給者の範囲に関する有識者会議が開催され、 いわゆる障害関係8団体からのヒアリングが行われました。

2年半前の社会保障審議会障害者部会においても、同様なテーマ設定で8団体からのヒアリングが行われましたが、今回のヒアリングでは当時から状況が一変し、当時介護保険の積極的活用論を展開していた団体も各団体とも総じて、統合議論に対して慎重論を展開しました。

今日の会議では冒頭に1団体10分程度の意見陳述があり、そのご会議委員からの意見、質疑応答がありました。

団体の意見陳述ではほとんどの団体が現在は障害者自立支援法完全施行から間がなく、法施行によりもたらされた問題、その以前から解決されていない根本的な障害者施策の課題への取り組みが先決でるとし、「介護保険統合を議論する段階ではない」「議論は時期尚早」「現段階では回答をもち合わせない」といった意見や、そもそも現行の介護保険では障害者の自立支援はできないという意見出され、自立支援法の成立を推進していた団体からも、支援法の問題点についての言及がされていました。
また、いくつかの団体からはこの会議が障害者当事者委員抜きに開催され、突然のヒアリングに招かれたことなど、会議運営に対しても批判が上がりました。

質疑では、委員から負担や障害程度区分、サービス体系の問題を修正すれば統合可能ではないかという質問に、現行の介護保険制度では障害者の自立支援は難しい という認識を大方をしめていました。
また、委員の中からも、やはり拙速な議論は避けるべきということが確認できたといった意見も聞かれています。

本会議は、05年の介護保険法改正時の付帯決議に沿い、介護保険拡大の議論を昨年よりスタートさせていますが、05年当時はまだ自立支援法は成立すらしておらず、法施行によってこの様な混乱が起こるとは誰も予想していませんでした。
厚労省としては介護保険制度に似た制度としての支援法が動き出し、ここまで似た制度なら統合できるという「支援法を介護保険統合へのワンステップ」と 考えていたかもしれませんが、支援法の批判で その道が逆に遠のいたことを示す結果となりました。

今後、年度末に向けて議論のとりまとめに入っていくことが考えられますが、よほどの厚労省事務局の一方的なとりまとめや強引な座長決裁などがない限り、「統合すべき」という結論には至らない情勢ではないでしょうか。
ただ、上にも書いたように、これまでも後半にどんでん返し的なものが出てきたこともあり、今後も注視はしてく必要があるように思います。

※本日の傍聴メモ・資料を下記にアップしてあります。ご参照下さい。
傍聴メモ http://www.j-il.jp/jil.files/siryou/kaigo_hani/070205.doc (ワード形式)
配付資料 http://www.j-il.jp/jil.files/siryou/kaigo_hani/070205_all.pdf (PDF形式)

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