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課長会議指示文書日常生活用具の部分)NEW 98/6/5

東京都の日常生活用具の品目・単価一覧表(画像なので、シフトキーを押しながらクリックを推奨)

 

 

日常生活用具制度特集

高額福祉機器を受けられる制度

 

 日常生活用具は、国の補助制度で、ホームヘルプ等と同じように、厚生省が要綱を作り、その範囲内なら、自治体が実施すれば、国50%、県25%、市町村25%の財政負担で事業を実施できます。いろいろな障害に合わせて、たくさんの品目があり、ワープロ、ベッド、介護リフト、携帯用会話補助装置などがありますが、中には、浴槽や風呂の湯涕器、トイレのウォッシュレット(特殊便器)など、住宅改造に近い項目もあります。各品目に単価上限があり、それを越えると自已負担となります。

 なお、電動車椅子は、老人の日常生活用具には入っているのですが、身体障害者の日常生活用具には入っていません。これは、老人には補装具の制度がないためです(補装具の制度のほうが、オプションや交換部品の単価などが細かく設定されており、柔軟性があります。また、補装具には特別基準がありますが、日常生活用具にはありません)。

 

 

 日常生活用具はの使い方は、まずワープロなどの見積を業者からとり、見積を添えて役所に日常生活用具を申請します。役所から許可が出たら、業者から納品してもらい、役所は業者にお金を払います。施設から自立するときなど、たくさんの品目を一度に申請して受けることになります。その場合、住宅改造の業者などに、全部まとめて注文すると、業者が(単価を越えてしまいそうな品物の)割引率を高くしてくれると思います。いずれにしても、業者に制度のことをよく説明して、「この品目はこの額までしか補助されない」と相談してください。生活保護・非課税世帯は無料、課税世帯は収入に応じ自己負担があります

 

 次々ページの表では、厚生省の品目(全国ほとんどがこの品目と同じ)を掲載します。

その後のページでは東京都の品目(単価上乗せや独自に設けている品目がある)と山梨県の上乗せ品目を紹介します。

 

 今年度(10年度)からの新規項目は、電気式「痰」吸引器です。単価等の厚生省での決定は5月末になります。

 

日常生活用具の説明(全国基準)

 

日常生活用具

 次ページからに、厚生省の出している日常生活用具の一覧表を掲載します。東京以外は、全国、この表に同じです。

 

 生活保護や、非課税世帯等、所得の少ない家庭には、自己負担なしにこれらの用具を買う費用(ただし表に書いてある額まで)が出ます。ですから、自立生活障害者は、使える項目全部を使うのが一般的です。全身性障害者に使える主なものは以下の通り。

 

◆移動用リフト15万9000円(ベッドから車椅子間の移動のできる手動のリフトを想定した額です。(板間かフローリングマットなどが敷かれていないと動かしにくい))

◆浴槽 6万800円、◆湯沸かし器 5万6500円(浴槽用)

(自立障害者はアパートに入るとき、浴室用湯沸かし器を室外用取り付けタイプの新型に換え、アパート用の和式の狭い浴槽から、一戸建て用の長い洋式の浴槽に交換する。そうしないとリフトでふろ桶に入れない)

◆入浴補助具9万円(リフトのつり具やすのこに使わせてくれる自治体もあります。普通はシャワーチェアなどに使います。)

◆特殊便器 24万4700円(ウオッシュレットと水流しを足等で操作するリモコンで操作できるものをつけられます)

◆電動ベッドとマットあわせて17万8800円(寝返り介護の必要な障害者には、セミダブルの横幅のベッドがおすすめです)

◆携帯用会話補助装置 9万8800円、

◆ワープロ 11万8500円、

◆電話(貸与)

◆ファックス等(聴覚障害者用通信装置=言語の著しい障害でもOK、14万8000円)

◆意志伝達装置(ホーキングさんが使ってるようなもの。50万円。NECなどが製品化している。最近のものはパソコンや、エアコン、扇風機等、電化製品をコントロールできる)

◆緊急通報装置 6万6000円、(ペンダント型や腕時計型がある)

◆自動消火器 3万900円、火災報知機 1万5500円=「こういうものが公費でつきますから」と契約前に表を見せます。大家さんが喜びます(19ページ参照)

 

 

日常生活用具の種目及び性能(厚生省基準・全国)

介助者を使って自立生活をする全身性障害者が、普通利用する項目を太字にしてあります。

区分 

 障害及び程度 

 性能 

補助基準単価(円)

給付

盲人用テープレコーダー

視覚障害2級以上

視覚障害者が容易に使用し得るもの

25,600

盲人用時計

視覚障害2級以上。なお、音声時計は、手指の触覚に障害がある等のため触読式時計の使用が困難な者を原則とする。

視覚障害者が容易に使用し得るもの。

触読式

10,300

音声式

15,500

盲人用タイムスイッチ

視覚障害2級以上(盲人のみの世帯及びこれに準ずる世帯)

視覚障害者が容易に使用し得るもの。

3,750

盲人用カナタイプライター

視覚障害2級以上

視覚障害者が容易に使用し得るもの。

34,000

点字タイプライター

視覚障害2級以上(本人が就労もしくは就学しているか又は就労が見込まれる者に限る。)

視覚障害者が容易に使用し得るもの。

63,100

盲人用電卓

視覚障害2級以上(就労している者、主婦又はこれに準ずる者を原則とする。)

視覚障害者が容易に使用し得るもの。

53,600

電磁調理器

視覚障害2級以上(盲人のみの世帯及びこれに準ずる世帯)

視覚障害者が容易に使用し得るもの。

45,400

盲人用体温計(音声式)

視覚障害2級以上(盲人のみの世帯及びこれに準ずる世帯)

視覚障害者が容易に使用し得るもの。

10,100

盲人用秤

視覚障害2級以上(盲人のみの世帯及びこれに準ずる世帯)

視覚障害者が容易に使用し得るもの。

3,750

点字図書

主に、情報の入手を点字によっている視覚障害者

点字により作成された図書。

厚生大臣が必要と認めた額(点字図書と墨字図書の差額)

盲人用体重計

視覚障害2級以上(盲人のみの世帯及びこれに準ずる世帯)

視覚障害者が容易に使用し得るもの。

26,000

視覚障害者用拡大読書器

視覚障害者であって、本装置により文字等を読むことが可能になる者

画像入力装置を読みたいもの(印刷物等)の上に置くことで、簡単に拡大された画像(文字等)をモニターに映し出せるもの。

198,000

聴覚障害者用屋内信号装置

聴覚障害2級(聴覚障害者のみの世帯及びこれに準ずる世帯で日常生活上必要と認められる世帯)

音、声音等を視覚、触覚等により知覚できるもの。

87,400

聴覚障害者用通信装置

聴覚障害者又は発声・発語に著しい障害を有する者であって、コミュニケーション、緊急連絡等の手段として必要と認められる者。

 

一般の電話に接続することができ、音声の代わりに、文字等により通信が可能な機器であり、障害者が容易に使用できるもの。

148,000

 

 

文字放送デコーダー

聴覚障害者のうち、必要と認められる者

障害者が容易に使用し得るもの。

80,000

浴槽

下肢又は体幹機能障害2級以上

障害者が容易に使用し得る洋式浴槽又はこれに準ずるものとし、実用水量 150g以上のもの。

60,800

湯沸器

下肢又は体幹機能障害2級以上

浴槽の性能等に応じたもので、安全性について配慮されたもの。

56,500

便器

下肢又は体幹機能障害2級以上

障害者が容易に使用し得るもの。(手すりをつけることができる。)

4,450

特殊便器

上肢障害2級以上

足踏ペダルにて温水温風を出し得るもの。

244,700

特殊マット

下肢又は体幹機能障害1級(常時介護を要する者に限る。)

褥瘡の防止又は失禁等による汚染又は損耗を防止できる機能を有するもの。

19,600

特殊寝台

下肢又は体幹機能障害2級以上

腕、脚等の訓練のできる器具を付帯し、原則として使用者の頭部及び脚部の傾斜角度を個別に調整できる機能を有するもの。

159,200

電気式「痰」吸引器

10年度からの新規項目

5月末ごろに単価・障害程度等が決定されます

 

電動タイプライター

上肢障害2級以上又は言語、上肢複合障害2級以上(文字を書くことが困難な者に限る。)

障害者が容易に使用し得るもの。(プロテクター等を付帯することができる。) 

ひらがなタイプ

 150,900

和文タイプ

 197,800

ワードプロセッサー

上肢障害2級以上又は言語、上肢複合障害2級以上(文字を書くことが困難な者に限る。)

かな、漢字、英数字による文書作成が可能で、編集、校正、記憶及び印刷機能を有し障害者が容易に使用し得るもの。(プロテクター等を付帯することができる。)

118,500

電動歯ブラシ

上肢障害2級以上(手動歯ブラシの使用が困難な者)

障害者又は介助者が容易に使用し得るもの。

9.300

特殊尿器

下肢又は体幹機能障害1級(常時介護を要する者に限る。)

尿が自動的に吸引されるもので、障害者又は介護者が容易に使用し得るもの。

72,100

 

 

入浴担架

下肢又は体幹機能障害2級以上(入浴に当たって、家族等他人の介助を要する者に限る。)

障害者を担架に乗せたままリフト装置により入浴させるもの。

82,400

体位変換器

下肢又は体幹機能障害2級以上(下着交換等に当たって、家族等他人の介助を要する者に限る。)

介助者が障害者の体位を変換させるのに容易に使用し得るもの。

15,000

入浴補助用具

下肢又は体幹機能障害者であって、入浴に介助を必要とする者

入浴時の移動、座位の保持、浴槽への入水等を補助でき、障害者又は介助者が容易に使用し得るもの。

90,000

移動用リフト

下肢又は体幹機能障害2級以上の者

介護者が重度身体障害者を移動させるにあたって、容易に使用し得るもの。(ただし天井走行型その他住宅改造を伴うものを除く。)

159,000

重度障害者用意志伝達装置

両上下肢の機能の全廃及び言語機能を喪失した者であって、コミュニケーション手段として必要があると認められる者

まばたき、筋電センサー等の特殊な入力装置を備え、障害者が容易に使用し得るもの。

500,000

携帯用会話補助装置

音声言語機能障害者又は肢体不自由者であって、発声・発語に著しい障害を有する者

携帯式で、ことばを音声又は文章に変換する機能を有し、障害者が容易に使用し得るもの。

98,800

歩行支援用具

平衡機能又は下肢もしくは体幹機能に障害を有し、家庭内の移動等において介助を必要とする者

おおむね次のような性能を有する手すり、スロープ等であること。

ア 障害者の身体機能の状態を十分踏まえたものであって、必要な強度と安定性を有するもの。

イ 転倒予防、立ち上がり動作の補助、移乗動作の補助段差解消等の用具とする

60,000

透析液加温器

腎臓機能障害3級以上で自己連続携行式腹膜濯流法(CAPD)による透析療法を行う者

透析液を加温し、一定温度に保つもの。

51,500

酸素ボンベ運搬車

医療保険における在宅酸素療法を行う者

障害者が容易に使用し得るもの。

25,800

ネブライザー

呼吸器機能障害3級以上で吸入加温処置により呼吸に伴う負担の軽減を図るため必要と認められる者

障害者が容易に使用し得るもの。

40,000

 

 

火災警報機

障害等級2級以上(火災発生の感知及び避難が著しく困難な障害者のみの世帯及びこれに準ずる世帯)

室内の火災を煙又は熱により感知し、音又は光を発し屋外にも警報ブザーで知らせ得るもの。

15,500

自動消火器

障害等級2級以上(火災発生の感知及び避難が著しく困難な障害者のみの世帯及びこれに準ずる世帯)

室内温度の異常上昇又は炎の接触で自動的に消火液を噴射し初期火災を消火し得るもの。

30,900

緊急通報装置

ひとり暮らしの重度身体障害者等

障害者が身につけることが可能で、ごく簡単な操作により緊急事態を自動的に受診センター等に通報することが可能なもの。

66,000

貸  与

福祉電話

難聴者又は外出困難な身体障害者(原則として2級以上)であって、コミュニケーション、緊急連絡等の手段として必要性があると認められる者及びファックス被貸与者(障害者のみの世帯及びこれに準ずる世帯)

障害者が容易に使用し得るもの。

83,300

ファックス

難聴又は、音声・言語機能障害3級以上であって、コミュニケーション、緊急連絡等の手段として必要性があると認められる者(電話(難聴者用電話を含む。)によるコミュニケーション等が困難な障害者のみの世帯及びこれに準ずる世帯)

障害者が容易に使用し得るもの。

7,700

(注)1.脳原性運動機能障害の場合は、表中の上肢・下肢又は体幹機能障害に準じ取扱うものとする。

2.電動タイプライター(昭和62年度以前に給付されたものを除く。)とワードプロセッサーとは併給しないものとする。

3.聴覚障害者用屋内信号装置にはサウンドマスター、聴覚障害者用目覚時計、聴覚障害者用屋内信号灯を含む。

 

 

 

東京の日常生活用具

 

 東京都の日常生活用具は、厚生省のものより品目が多く、一部項目は限度額が大きくなったり(例:携帯用会話補助装置9万円→28万円)、視覚障害者用のものが肢体障害者にも使える(例:電磁調理器4万5400円)など、一歩広がった内容になっています。近年のパターンでは、東京都が採用したものを、数年たって厚生省が採用する(全国で使えるようになる)という形になっています。

 

★東京の全身性障害者は、アパートを借りて引っ越しし一人暮らしを始めるとき、だいたい以下のものを1度に申請します。

 

東京都独自のものや基準額上乗せ品

◆クーラー(17万2100円)頚椎損傷や筋ジスなど医者の診断書で体温調節機能の障害でクーラーが必要と書いてもらえば取れます。実際はエアコンを買います。

◆電磁調理器(4万5400円)=全国基準では視覚障害者のみの対象品目だが、東京では肢体障害者も使える。卓上型製品を買うなら、IHよりも、ハロゲンヒーターの製品がいい。又、電子レンジも「電磁調理器」と見積もりに書いてもらえば買える。

◆湯沸かし器(10万4900円)全国基準より高い単価になっています。浴槽用の物。ただし、狭くなるので本体を台所に設置し、業者にたのめば、台所でもお湯が使えるようになる。

◆介護用リフト(25万7000円)全国基準より高い単価になっています。

◆携帯用会話補助装置(28万5000円)=全国基準では9万8800円ですが、28万円の金額なら電動車椅子にノートパソコンと音声ソフト・アンプ付スピーカ・取付アームをつけて、電源を電動車椅子から取るオプションもつけられます。パソコンソフト製なら漢字を読むので聞き取りやすく、大勢の前で講演などもできます。

 

全国基準額と同じ物

◆浴そう(6万800円)◆ベッドと特殊マット16万2800円と1万9600円。

◆特殊便器24万4700円=ウオッシュレットと水流しリモコンボタンなど

◆言語障害の手帳を持っていれば、ファックス14万8000円(聴覚障害者通信装置)

◆ワープロ◆福祉電話

◆緊急通報装置◆意思伝達装置(50万円)

 

東京都の日常生活用具の品目・単価一覧表(画像なので、シフトキーを押しながらクリックを推奨)

 

 

山梨県の日常生活用具の上乗せ(ワープロとFAXに県独自の上乗せがある)

2 日常生活用具の種類  

(凡例) ・種目 ・基準額

・対象者

・性能

 

・ワードプロセッサー    270,500円

        国基準額  118,500円

        県単上乗額 152,000円

・上肢障害2級以上又は言語、上肢複合障害2級以上で、文字を書くことが困難な者

なお、電動タイプライターとの併給は認めない

・かな、漢字、英数字による文書作成が可能で、編集、校正、記憶及び印刷機能を有し障害者が容易に使用し得るもの(プロテクター等を付帯することが出来る)

  

・ファックス(貸与)    127,000円

  国基準額          7,700円

  県単上乗額       119,300円

・聴覚又は音声・言語機能障害3級以上で、コミュニケーション、緊急連絡等の手段として必要性があると認められ、かつ、電話(難聴者用電話を含む)によるコミュニケーション等が困難な障害者のみの世帯又はこれに準ずる世帯の身体障害者(障害者と業者との間に締結されるリース契約も含む)

・障害者が容易に使用し得るもの

 

厚生省の10年度課長会議指示文書(日常生活用具の部分)NEW 98/6/5

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