各自治体独自の住宅改造制度

 

 生活保護制度を利用したものを除くと、住宅改造制度は、介護制度と違い、(98年度現在)いまだに国庫補助による全国一律の制度はありません。

自治体は、住宅改造制度をつくるときには、全額自治体負担で事業を行います。

 毎月・毎年費用がかかる介護制度に比べ、格段に費用のかからない制度のため、近年多くの自治体で独自の制度ができてきています。

 都市部などで、独自に住宅改造制度を実施している自治体は、大阪市(50万円まで)、静岡県(100万円まで)、東京都(6項目合計262万円まで)、山梨県(13項目合計200万円まで)、鹿児島市など多数あります。この制度は、仕組みが簡単なので、自分の住んでいる市町村または県の役所の障害福祉関係の係に電話をして、住宅改造制度を実施しているかどうかを聞けば、すぐに教えてくれます。

 

 

 介護保険が2000年4月から開始されると高齢者は介護保険の住宅改造(低額のもの)が開始されます。これにあわせて公費の障害者施策でも介護保険と同様の住宅改造(低額のもの)が開始されることが予想されます。(厚生省の障害保健福祉部が「介護保険に遜色のない制度を公費で構築する」という方針のため)

 

 

 

 

東京都の住宅改造制度

 

東京都内では、身障手帳1・2級をもっていれば、次の表の範囲内で住宅改造を受けられます。持ち家でも、借家でも、改造できます。アパートなど、借家の場合は大家の承諾書が必要です。所得に応じて自已負担がありますが、生活保護や低所得なら自已負担はなくなります。利用の方法ば、まず障害者が市役所に申請に行き、身障担当ワーカーが家を見に来ます。役所から許可が出たら、工事の業者に頼みます。工事の業者が、障害者の「ここを改造したい」という話を聞き、見積を作り、改造工事をします。工事完了後、市から業者にお金が支払われます。給付限度額を超すと白已負担となりますが、市によっては「便所の改造費が足りなくなったら、居室の改造費の余っている分から回せばいいです」などと融通をきかせてくれる自治体もあります。

費用負担は、都50%・市区町村50%

 

(下の表で、屋内移動機器というのは、天井などに取り付ける介護用リフトのことです)。

 

●東京都住宅設備改善費の給付(住宅改造・リフト)

都内に居住する重度の肢体不自由の方に対し、日常生活を容易にするため、次のような種目の住宅設備改善費を支給します(所得に応じて自已負担があります)。

 

対象者

種目

給付限度額

窓口・手続

6歳以上で、身体障害者手帳(下肢・体幹)1,2級の方

浴場改善

213,000円

福祉事務所及び支庁

便所改善

106,000円

玄関改善

307,000円

居室改善

490,000円

18歳以上で、身体障害者手帳(下肢・体幹)1,2級の方(家事に従事する方を対象とします。)

台所改善

177,000円

6歳以上で、歩行が不能で、上肢又は体幹に重度の障害を有し、カ・つ障害の程度が1級の方(天井リフト)

屋内移動設備

ア 機器本体

イ 設備費

979,000円

353,000円

 

 
 
 
山梨県の住宅改造制度
 在宅の重度心身障害者の日常生活環境を改善するために障害者の専用居室等を整備する際にかかる資金を補助します。
 重度心身障害者居室整備費補助金
(1)対象となる重度心身障害者
 肢体不自由による身体障害者手帳1・2級又は療育手帳Aの所持者で日常生活において常時介護を要する18才以上の者をいいます。ただし、15才以上18才未満の者であっても介護の実情から特に必要性の高い者は協議の対象としております。
(2)補助金交付対象者
・山梨県内に住所を有する重度心身障害者、又はその者と同居する者
・障害者の生活環境の改善、ないしは介護の軽減を図るために専用居室等の整備の必要度の高い者
・前年度分の所得税額が 287,500 円以下の世帯
(3)補助対象事業
 障害者の専用居室、浴室、便所等を改造、改築又は増築する事業に限ります。新築の場合は対象となりません。
 なお、本事業と併せて同一世帯の家屋を改造、改築又は増築する場合は、その工事延床面積が50u以下の場合に限られております。
(4)補助基準額             (平成10年1月1日現在)

費目

種  目

1uあたりの単価

基準面積(u)

基準額(円)

限度額(円)

工事費

専用居室

68,600

13.24

909,000

1,550,000

浴室・便所

89,300

6.63

592,000

玄関

68,600

2.00

138,000

洗面所

89,300

2.00

179,000

台所

89,300

8.93

797,000

天井走行リフト

− 

− 

987,000

 
 

費目

種  目

摘     要

基準額(円)

限度額(円)

設備費

洋式便器

(ロータンク)

67,000

450,000

浴槽

(260リットル程度)

74,000

シャワーセット

(ハンドシャワー)

35,000

湯沸器

(7,000Kcal/H)

86,000

浄化槽

(5人槽)

150,000

キッチンセット

− 

404,000

その他

− 

150,000

※同一世帯内に、補助対象障害者が2人以上同居している場合は、2人目以上 1人について専用居室に係わる基準額の80%に相当する額を同基準額に加算した額を補助基準額とします。
※基準額の計が5万円未満の場合は補助の対象となりません。
(5)補助金交付額
(4)による種目ごとの基準額と種目ごとの実支出額を比較して少ない方の額の合計額に次の割合を乗じて得た額の合計額とします。

補助対象基本額のうち、60万円以下の額

市町村民税非課税世帯

10/10

所得税非課税で市町村民税均等割世帯

8/10

所得税非課税で市町村民税所得割世帯

6.5/10

所得税世帯

5/10

60万円を越え200万円までの額

− 

5/10

(6)申請手続
ア 「在宅重度心身障害者居室整備協議書」を市町村役場に提出して下さい。
イ 県から協議書の「適」の結果を受け、「在宅重度心身障害者居室整備費補助金交付申請書」を市町村役場に提出して下さい。
●協議書、申請書等関係書類は市町村役場又は県福祉事務所にあります。
●この事業は補助金制度でありますので、補助金交付決定通知が届く前に工事に着手することはできません。
(7)担当課 障害福祉課

TEL 0552−23−1461 FAX 0552−23−1464

 

 

 

静岡県の住宅改造制度

 

重度身体障害者住宅改造費の助成

 

 在宅の重度身体障害者又はその保護者が住宅設備を当該障害者に適するように改造するための経費を助成します。

 

対象者:身体障害者手帳1,2級の下肢・体幹・視覚障害者

所得制限:世帯の前年の所得税額が120,000円以下の者

対象経費:既存住宅の浴室、便所、洗面所、台所、玄関、廊下その他住宅設備を身体障害者向けに改造するために必要な経費(借家も助成対象となる)

 

補助基準額:1,000千円

 

実施主体:市町村 

 

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