まずは、介護職員等によるたんの吸引等(特定の者対象)の研修カリキュラム の概要。
研修は、基本研修と実地研修があります。

(注:老人ホームなどでは不特定の者対象の別の研修プログラム(60時間程度研修)がありますが、在宅福祉分野や特別支援学校などでは、この特定の者の研修を行います)

 

 

【特定の者】基本研修カリキュラム(いわゆる9時間研修)

科目

中項目

時間数

重度障害児・者等の地域生活等に関する講義

・障害者自立支援法と関係法規
・利用可能な制度
・重度障害児・者等の地域生活等

喀痰吸引等を必要とする重度障害児・者等の障 害及び支援に関する講義
緊急時の対応及び危険防止に関する講義

・呼吸について
・呼吸異常時の症状、緊急時対応
・人工呼吸器について
・人工呼吸器に係る緊急時対応
・喀痰吸引概説
・口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の吸引
・喀痰吸引のリスク、中止要件、緊急時対応
・喀痰吸引の手順、留意点等

・健康状態の把握
・食と排泄(消化)について
・経管栄養概説
・胃ろう(腸ろう)と経鼻経管栄養
・経管栄養のリスク、中止要件、緊急時対応
・経管栄養の手順、留意点等

喀痰吸引等に関する演習

・喀痰吸引(口腔内)
・喀痰吸引(鼻腔内) ・喀痰吸引(気管カニューレ内部)
・経管栄養(胃ろう・腸ろう)
・経管栄養(経鼻)

○基本研修(講義及び演習) ※演習(シミュレーター演習)については、当該行為のイメージをつかむこと(手順の確認等)を目的 とし、評価は行わない。実地研修の序盤に、実際に利用者のいる現場において、指導看護師や経験のある 介護職員が行う喀痰吸引等を見ながら利用者ごとの手順に従って演習(現場演習)を実施し、プロセスの 評価を行う。

基本研修9時間のカリキュラムです。

基本研修では、8 時間の講義と1 時間の演習(シミュレーター演習)を行います。 講義部分の知識習得の確認のため、筆記試験を行います。 四肢択一式問題を20 問、30 分で回答、90 点以上を合格とします。 出題の範囲は、たんの吸引と経管栄養に関する基礎的な部分です。

基本研修のいわゆる集合的に行う演習(シミュレーター演習)については、当該行為のイメー ジをつかむこと(手順の確認等)を目的とし、評価は行いません。 実地研修の序盤に、実際に利用者のいる現場において、指導看護師や経験のある介護職員 が行うたんの吸引等を見ながら利用者ごとの手順に従って演習(現場演習)を実施し、プロセス の評価を行います。位置づけとしてはここまでが「基本研修」となります。

 

 

【特定の者】実地研修

口腔内の喀痰吸引

指導看護師等による評価(所定の判断基準)により、問題ないと判断されるま で実施。

※評価を行う際には、利用者の意見を 聴取することが可能な場合は、利用者の 意見も踏まえた上で評価を実施。

鼻腔内の喀痰吸引

気管カニューレ内部の喀痰吸引

胃ろう又は腸ろうによる経管栄養

経鼻経管栄養

○指導看護師等による指導、確認を初回及び状態変化時に行い、初回及び状態変化時以外の時は、定期 的に指導看護師等による指導、確認を行うこととし、医師・看護師等と連携した本人・家族又は経験の ある介護職員等が実地研修の指導の補助をすることも可能とする。また、指導看護師等は、実地研修の 評価を行うものとする。
○実地研修を受けた介護職員等に対し、所定の評価票(介護職員等によるたんの吸引等の研修テキスト に添付)を用いて評価を行う。(特定の者ごとの実施方法を考慮した評価基準とすることができる。)
○評価票の全ての項目についての医師又は指導看護師等の評価結果が、連続2 回「手順どおりに実施で きる」となった場合に、実地研修の修了を認める。
○「特定の者」の実地研修については、特定の者の特定の行為ごとに行う必要がある。なお、その際、基 本研修を再受講する必要は無い。

実地研修の内容です。
ケアの対象者は特定の(障害者・難病患者)で、その方が必要とする行為の実地研修のみを行います。

実地研修では、医師や看護師等が指導しますが、特に在宅においては、必要に応じ医師・看 護師と連携した経験のある介護職員及び本人・家族が指導の補助を行います。医師や看護師 等による評価により、連続2 回全項目が問題ないと判断されるまで実施します。 評価を行う際には、利用者の意見をお聞きすることができる場合は、利用者の意見も踏まえた 上で評価を実施してください。 利用者本人の意思が十分に確認できない場合は、家族の方の意見も十分にお聞きする必要 があります。

医師や看護師等の指導は、初回及び状態変化時以外については「定期的」に実施します。

「特定の者」の実地研修については、特定の者の特定の行為ごとに行う必要がありますが、基 本研修を再受講する必要はありません。

PDFファイル版

2012/04

 

HOMETOP戻る